交趾土器皿
土器皿は柔らかな陶器で使いにくいと思っていらっしゃる方が多いと思います。
風合いはとても美しいのですが汚れが染み込むなどのマイナス面があり、伏原さんはそれを考えて火度を高くしてしっかり焼いて下さっています。釉をかけないで色絵具を幾度も重ねて(回数は色によって違い焼き具合によっても異なります)釉のような表面になっています。
土器皿は読んで名の如くロクロを使わず土をこね、手で延ばして造ったという由来のもので、最初は釉のない「かわらけ」でした。その雰囲気を少しでも残したいと縁にたっぷり丸く土を寄せ、自然に出て来た様な型をと思ったのですが、そんな雰囲気が出ているでしょうか?
交趾という名はベトナム北部あたりの古名でコーチャンと呼ばれていたと聞いています。そのあたりに産する原料で造られたものなのでしょうか、主に香料を入れて輸出した蓋物が日本では香合として珍重され、日本の名前が与えられ、交趾(コーチ又はコーシ)と呼ばれてきました。茶席は暗いところですので特に黄交趾が珍重され、交趾大亀香合など大名品として藤田美術館などに残っています。
工芸店ようび 店主 真木
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