ご存知の方も多いかと思いますが、この文様は桂離宮の桂川に面した側の垣根を文様化したものです。こまかい葉の細い竹が幾重にも重ねて植えてあり、それを生かしたまま斜めにして男むすびで止めてあり、それは見事な発想の美しい垣根です。私は時々これを見るためだけでも桂へ行きたくなる程です。
二十余年ほど前、辻留さんがお持ちのこれを文様にした重を見せていただきました。さっそく写しを作らせていただいたものです。お正月料理を入れますと内側の朱が映えて美しさ抜群です。
上段に正月祝肴三種(ごまめ、かずのこ、たたきごぼう)、下段はおにしめ。それで正月料理は充分ではと思います。
お普段にも手提げ重のおしゃれな雰囲気を生かして、ワンランク上のおもてなしにと楽しい使い方が出来ると思います。上段に干菓子、下段に主菓子など。
手が付いているだけで随分仕事量が増えてしまいますので、この頃は手提重というものをあまり見なくなりました。確かに手付のものを丈夫に華奢で美しいものに作るのは難しいのです。