輪島の奥田志郎さんはこの度の震災で工房・自宅共全壊し、皆様には大変にご心配いただきましたこと心より御礼申し上げます。
すべての製品を売らせていただいているようびにとりましては、大変な痛手となっておりましたが、その後仮設工房を行政が提供してくれて、何とか「にちにち箸」始め拭漆のもののみ造ることが出来るようになりました。
これまではさまざまの仕事の中でさせていただいておりましたが、被災後はこれのみのお仕事のみとなってしまい、材料など高騰して参りまして、申し訳なくは存じますが一膳を2,000円にさせていただきたく、よろしく御了解いただきたく存じます。
お待たせしていましたお客様、使用の限界が来ているお客様に御安心いただけると嬉しい思いでございます。
杉の木肌が美しい「利休箸」。 箸の両端を細く削った両口箸です。握りの部分が平らで、角は丁寧に面取りされいて、とても握りやすいお箸です。柔らかで軽くて、持っていることを忘れそう・・。
その「利休箸」に漆をしみこませたお箸に「カラン箸」があります。
随分前の話になりますが、店主の兄、故野田行作が辻留の辻嘉一さんから「利休箸」をいただいた際、自宅用に普段使いのお箸として漆を染みこませてみたら、とても使い心地のいいお箸ができたそうです。さっそく、商品化の運びに。
「カラン箸」の名前は、軽い上、漆により表面が堅くなっていて、転がすとカランと音がすることから。
さらに、工芸店ようびでは、作り手を奥田志郎さんにお願いし、拭き漆の回数も5回と多くすることで、光沢のあるお箸に進化させました。その名も毎日使っていただきたいから「にちにち箸」です。
杉の芯から遠い白い部分を使い、漆をしっかりと染みこませることで、「利休箸」の利点に耐久性が加わっています。元来使い捨てだったものが、普段使いのお箸として毎日使っていただいても2年も保ちます。