このやわらかな染付網目は「お正月用」に限定したものではありませんが、裏白や南天を敷いていただくとお正月用になり、三、四人さまの盛り鉢(皿)になります。梅の交趾小皿、お正月頃に一番おいしいお大根を唐墨に添えてあります。
御酒一献、朱片口から注いで・・・
酒杯は細川護光さん作でとても良い形のものです。
朱片口は奥田志郎さん、口切れのとてもよいものです。
雲錦という文様はどちらかというと春の頃に用いることが多いのですが、元は花を雲、もみじを錦と見て、仁阿弥道八の初代が作られたものです。京らしい季節の取り入れ方に感心いたします。上質な器という満足感がございます。
朱の片口はもう40年も前から作っているものです。このところ、いろんな地方の酒蔵からとても特長ある味や香りのお酒が出され、冷めたまま(常温も含め)供することが流行で、その場合はお酒の顔も見れて注ぎやすい片口がよろこばれ、今この時にぴったりかと今一度おすすめしたいと思います。
ぐい呑は辻村塊さんのもの、呑み口といいワクワク感といい、「こんなものでお酒をたのしんでいただけたらな」と思います。
あっという間に秋になるのでしょうか。でもまだお暑い日々でございます。少しでも秋を待つ気分になっていただけるようにと献立を考えてみました。
ちょうど福森雅武さん作品の蓮手文の向付が参りました。大らかな見込みはふんわりと中のものを受けとめてくれます。カマスの一塩に大根おろし(酢しょうゆ)をかけ、穂じそを散らしました。
なめらかな粉引の荒賀さんの作品には、湯葉をよいお出汁で煮浸にして枝豆を散らしました。
もみじのお皿(めずらしく福森さんの染付です)には夏のたのしみ、白瓜の糠漬けです。
朱の片口(奥田志郎作)には冷たいお酒、口切れは抜群です。
この長手の盆は洋食器にもと思って作りました。横一尺四寸の隅切で、ゆったりと大らかに使っていただけるものです。