お重箱というものはお正月のものと思っていらっしゃる方が多いと思いますが、様々な使い方があるのもです。この様な角丸のお重など特に、ハレの日以外にも、お弁当箱にしたり、お客様の時は点心を盛ったりお寿司を入れたり、菓子器としたりして、日常にも使って楽しんでいただくことが出来ます。大きさも七五重よりも手軽で持ち運びもしやすいので、いろいろと使い方を工夫していただくと面白いと思います。
現在、重箱は正方形に作られていますが、古いものには正方形のものは少なくどうしてだろうと思っていました。目線の位置からすると机の上で見るより確かに角度が違い、正方形に見えるようにとたて・よこの長さを変えた可能性もあります。文様の付いているものは文様を合わせるためと云う理由もあるのでしょうとは思います。けれどやはり、長さが少し違う方が「美しい」。他にこれと云う理由は見出せません。
こちらの六五重は、たて・よこを少し変えることと木地を薄くしていることで形がすっきりと美しくなり、それでいて容量は旧型のものより多くなっています。また、少しずつ面を取り、欠けにくく作ってあります。
いつの時代にも変わることなく受継がれてきた普遍的な重と言えます。
お重箱は大変有用な道具なのに最近はあまり人気がございません。
お正月にしか使わない道具と云うイメージが強いからでしょうか。一年間眠らせておき、お正月はどこかに旅行してしまったりしますと、まるで不用の道具になってしまいます。
けれども、あまりお正月に限定した装飾を施したもの以外なら、いつもたのしく使える道具なのです。運動会でお重を広げたうれしい思い出もあります。お花見におにぎりとちょっとした煮物でもあれば、お重箱が風雅を担当してくれます。ふいのお客様におすしを調達して盛り合わせたり、お菓子鉢として上に主菓子、下に乾いたお菓子(クッキー)でもと云う風にも使えます。残りのご飯を冷たくならない内に入れておき梅干し一つのせておきますと冷御飯がふっくらとおいしいのです。ぜひおためし下さい。
いろんな利用法を考え使ってみると、以外に有用でたのしい道具だと解っていただけるはずです。