何時どこで見たのか忘れてしまったのですが、この本歌を見た時、何て魅力的な図柄だろうと思いました。先日ある雑誌でこのお皿が載っていて、すぐに正木さんにお願いしてみました。何ともユーモラスな枝の形、しみの様にある文様が梅の木であることを示しています。泊まっているのは大きな鳥、嘴の形からすると猛禽類ではない様ですが、何かを狙っている様な鋭い目をしています。
桐の木の花が咲く頃、葉と花の様子が「桐の紋」はここから出来たと思わせる瞬間があります。その紋を配して梅の花はもう咲き終わったことを示し、夏にかかる頃の生物、皆、元気な様子なのかと思いつつ、正木さんの感覚と技倆のたしかさを実感しました。生地は少しよごし手になっていますのもさすが、と思った次第です。