本歌は中国明、天啓時代の民窯のもので、魅力的な絵が好まれたこともあって、同じ馬紋でもかなり上手のものから少しラフなもの、寸法の違うものなどあります。天啓時代は短いせいもあって作品は少なく骨董としても珍重されているものです。
馬が放牧されていて豊かに草が生い茂り、雨の多いことを象徴する如く雲が浮かんでいます。
「馬舎につながれている馬達はかわいそうですね」と作者の正木さんは言います。画いていてこんな幸せな馬が居たんだなと思われたのだとそう思ってながめてみると、本当に馬がたのしそうなのです。正木さんの作品がたのしいのはそんな想いを持ちながらのお仕事のせいなのでしょうと眺めて思います。同じ写しを造る時も絵の成り立ちから気分まで写せる人は少ないのです。ようびにとって正木さんは本当に大切な作家さんなのです。