乾山はいろいろの季節の文様で外蓋の向付を作っています。いずれも魅力的な文様で、京焼のやわらかな肌の色の上に白化粧をほどこし、鉄絵と呉須の濃淡で文様を画くという誠に力強くかつ瀟洒なものになっています。
400年も経た今も私達にここまで愛されるものを写させていただくについては、さまざまの難関を越えねばなりませんでした。伏原さん師弟はよく挑戦して下さいました。春のお寿司のなんと似合うことでしょう。
赤貝と生わかめの二杯酢は有松進さん(瀬戸)の美しい色の貝の向付に、繭形の小皿には二杯酢が入っています。小椀は守田漆器さんのもので、白みその汁に白玉だんごが入っています。いずれも単純なものですのでお器が引き立っています。