京焼の古い富士山の形をしたお皿の写しを作ろうと、三年前から伏原さんにお願いして作っていただいておりましたが、何とかこの度、形になって出来上がりました。
先日、富士山を背に「羽衣」という能を見てきましたが、何とも神秘にみちた美しい形をした山だと改めて見入りました。西側から見る富士は夕刻、夕日に映えて赤富士となり雲の中に消えて行きました。一瞬の夢のようなひとときでした。おシテが突然、型にない(定まった動きでない)仕草で富士に向って南無帰命月天子。本地大勢至。と思いがけず手を合わせられ、一同大変感激いたしました。それほど富士とは神々しいお山です。そんな感覚まで写しとることも、使う方に感じていただくことも難しいのですが、松が少しは色を添えているのかと思っています。
「お正月のコーディネイト」より。