銹絵雪笹文様は、乾山はよほどお気に入りの図柄だったらしくさまざまなものに展開しています。向付や角皿や手鉢、蓋物等々と私共の目に触れなかったものもあったかもしれません。
洛北の冷たい空気の中に冬も色を失わないで立っている竹(笹)。その上にかかる真っ白の雪の美しさを目にやきつけながら筆をとり、力づよく鉄絵を画いたのだと思います。白泥はカオリン質の白化粧土をかなり勢いよくかけています。本体は意外に薄く、洗練された形と技法が感じられます。
この本質をしっかりと捉えて作っていただくためには時間が必要でした。京焼では括れない乾山のすごさを実感しながら仕事をして下さったと思います。大変よくできた写しでございます。