夏、夕刻に楚々と咲く夕顔はあくまでも儚い夢を想わせる存在です。日本人の情緒反応に大きな影響を与えている源氏物語の夕顔の一場面を思いえがきながら、さまざまに画かれた古い夕顔の絵の中から選抜していただきました。
今の夕顔は種自体が別種のもので朝顔の変種で、夕刻に開花するようにつくられたものですが、それでも薄暗い夕暮れの中に真っ白に咲いている夕顔の花は幻想的です。 華奢な少し平たい蓋物は、少しは雰囲気を出してくれているのかなと、作者伏原博之さんとも話したことでした。
さて何を入れればよいのでしょう。冬瓜のくず引きにしょうがを添えて、お酒はさらりとした冷酒というところでしょうか。バカラのグラスを合わせ、錫の銚子とへぎ板の折敷、かなり上質の一揃えです。