いつもお願いしている魚屋さんが「魚が少なくて琵琶湖の天然鱒しかありません」と連絡があり、撮影のため予定していましたカマスが手に入りませんでした。
有光武元さんが井戸の土で作りました大きめの向付がしっかり似合いました。上渕が少し内側になっていることでやさしさを感じます。
美しい蓼の葉を使って蓼酢を添えました。少し油の多い魚ですからさっぱりと召し上がっていただけるでしょう。
蓼酢を入れた白磁輪花楕円小皿は水野克俊さんの作品です。グラインダーで挽いた石ではなくスタンパーで粉砕した木地で薄くて美しい白磁を作られている方です。もっと繊細なものをと目指して今も懸命に修行中です。
井戸といわれている焼物はもちろん朝鮮半島の土なのですが、萩と益田の中間地点の「須佐」に須佐唐津と呼ばれてよく似た感触の土が産出されていました。そのことを小林東五氏から教えていただかれた有光武元さんが、20年位前その土を手に入れられ、今回焼かれたものです。
須佐唐津は還元で焼かれていたもので色は青っぽいグレーですが、有光さんは井戸風に仕上げてみたくて酸化の焔で焼いてみたとおっしゃいます。
使い込むと赤味を帯びて貫入が入り、古い井戸の肌のようになるそうで、形も良く、小鉢以外にもお酒を入れたりさまざまに使えそうです。
またその写真をお見せするつもりです。