ご家庭でもお客様でも鉢盛はよろしきもので、私のところでは殆んどのお菜は鉢盛で出します。
1、先ず手間がかからず美しく盛れる
2、熱いものは冷めにくい、冷たいものも同様
3、その人によって必要な分量を取れる
4、取り箸を付けるので、残ったものも残り物にならない
等のたくさんの利点があり、おてもとに適度な取り皿と鉢とがあれば、それぞれに分けて召し上がっていただけます。
食卓にぜひ鉢盛をおすすめしたいと思います。
これは、明時代から大変好まれている赤絵の写しで、須田菁華さんがお得意にしていらっしゃるものです。寸法がよく、多くても少なくても大変使いやすく重宝なお鉢です。
春のお向には沓形の井戸(有光武元さん作)、このようにお向も取り皿として使え、一器三様どの様にも使っていただくことで、器は多様に生きます。
辛子酢味噌と生姜醤油を適宜にかけていただきます。
井戸といわれている焼物はもちろん朝鮮半島の土なのですが、萩と益田の中間地点の「須佐」に須佐唐津と呼ばれてよく似た感触の土が産出されていました。そのことを小林東五氏から教えていただかれた有光武元さんが、20年位前その土を手に入れられ、今回焼かれたものです。
須佐唐津は還元で焼かれていたもので色は青っぽいグレーですが、有光さんは井戸風に仕上げてみたくて酸化の焔で焼いてみたとおっしゃいます。
使い込むと赤味を帯びて貫入が入り、古い井戸の肌のようになるそうで、形も良く、小鉢以外にもお酒を入れたりさまざまに使えそうです。
またその写真をお見せするつもりです。