高品質のワインを生み出す、世界で最も優れた協同組合の一つ
バルバレスコは、王のワイン、バローロと並ぶ「女王のワイン」として知られていますが、19世紀末までバローロ程の知名度はなく、バルバレスコで収穫されたネッビオーロからバローロのワインが作られることもよくありました。バローロとバルバレスコの違いを初めてラベルで明確に区別したのが1894年に9つのブドウ農家を結集し、バルバレスコ初の生産者組合カンティーネ・ソシアーリを創設したドミツィオ・カヴァッツァでした。同組合は1930年に解散しましたが、1958年、小さなブドウ農家を存続させるため、教会の司祭の下で19軒の農家が結集し、プロドゥットーリ・デル・バルバレスコが誕生しました。ワイン・アドヴォケート1990年2月号でロバート・パーカーに「世界のどの協同組合よりも高水準のワイン作りを継承している」と言わしめ、トップ生産者の地位を確立し、今や54の農家が加盟。畑の総面積は110haに及びます。
〜Barbaresco Riserva〜 多様なテロワールが生み出す多彩な味わい
イタリアで最も権威あるワイン誌の一つ『ガンベロ・ロッソ』で最高評価のトレ・ビッキエーリを獲得したプロドゥットーリ・デル・バルバレスコが手掛けるバルバレスコの9つのリゼルヴァは、偉大な年にのみ作られ、収穫年から5年の歳月を経てリリースされます。各々の畑の個性を最も純粋かつ最高の形で味わえるよう、全て同じ醸造方法で仕込まれます。
9つの単一畑のワインを最も軽快な味わいのものから最も力強く骨格のしっかりしたものの順に並べると以下の通り。
BARBARESCO RISERVA PORA (ポーラ)
BARBARESCO RISERVA PAJE (パイエ)
BARBARESCO RISERVA OVELLO (オヴェロ)
BARBARESCO RISERVA RIO SORDO (リオ・ソルド)
BARBARESCO RISERVA ASILI (アジリ)
BARBARESCO RISERVA RABAJA (ラバヤ)
BARBARESCO RISERVA MUNCAGOTA (ムンカゴタ)
BARBARESCO RISERVA MONTEFICO (モンテフィコ)
BARBARESCO RISERVA MONTESTEFANO (モンテステファーノ)
「バルバレスコ・リゼルヴァ パイエ」は、9つの畑の中で最も小さいパイエは、四方を山で囲まれた半円形の盆地で、朝は冷涼で午後は暑く、酸味の強い若々しくフレッシュな果実味が特徴です。鮮やかで生き生きとした快活さを湛えつつも複雑味のある濃厚な味わいで、バランスのとれたタニックな後味が広がります。
※畑の傾斜:南西向き、面積:1.8ha、標高:220-260m、土壌:石灰・石灰岩・砂礫質、生産量:10,000本
■テクニカル情報■
産地:イタリア北部ピエモンテ州クーネオ県 / D.O.C.G.バルバレスコ地区
醸造:ステンレスタンクで30℃の温度に保ちながら32日間マセラシオン、完全にマロラクティック醗酵。
大樽で36ヶ月熟成させた後、最低9ヶ月瓶内熟成。アルコール:14.5%
相性料理:生卵を使ったパスタ、リゾット、白身肉、赤身肉、ジビエ、鹿肉
熟成力:収穫年から20年
【品種】バルバレスコ地区で栽培されたネッビオーロ100%。13世紀からピエモンテで栽培されているこの品種は、奥深く魅惑的な風味を持ち、熟成に時間がかかり、畑の土質や天候から影響を受けやすいため、テロワールの個性がワインの香りや味わいに色濃く反映されます。
【気候】暑い夏と穏やかで暖かい春と秋、雪の降る寒い冬の気候が特徴的で、年間の気温は-10℃〜35℃。日照時間がブドウの品質を大きく左右するため、プロドゥットーリ・デル・バルバレスコのネッビオーロは、主に南向き、南西向き、南東向きの日当たりの良い斜面に植樹されています。
■2016ヴィンテージ情報■
2016年は、生育期が非常に長引いた年で、1月から2月初旬にかけて雨の少ない暖かい日が続き、2月末から3月にかけては気温が急激に下がって雨が多くなり、土壌に十分な水分が蓄えられました。春は雨の多い気候と共に幕を開けましたが、夜間は寒冷で、病害リスクが軽減されました。6月20日にようやく例年並みの気温となり晴天が続きましたが暑すぎず、ブドウの熟成が例年よりゆっくりと進みました。
9月後半は、日中は暖かく夜間は寒冷という理想的な気候条件に恵まれ、ストラクチャーとフェノール成分の発達を促進しました。収穫は、10月の第1週から美しい晴天の下に始まり、アルコール度数は2015年よりも低かったものの、非常にバランスが良く、大ぶりで恰幅の良いブーケに見事なストラクチャーを湛えた長期熟成ポテンシャルの高いワインに仕上がりました。
≪参考:ヴィノス2020年10月掲載記事より / アントニオ・ガローニ≫
2016年のリゼルヴァは、私がこれまでに味わったプロドゥットーリ・デル・バルバレスコのワインの中で、間違いなく最も素晴らしいワインである。ピエモンテのワインを愛する人なら、圧倒的な威厳を放つこれらのリゼルヴァを手放すことはできないだろう。適正な価格設定で、世界で最も手の届きやすい熟成型ワインの一つである。この年は品質が非常に高かったため、リゼルヴァは約20%多く瓶詰された。2016年のリゼルヴァは、プロドゥットーリ・デル・バルバレスコにとって素晴らしい功績として語り継がれるだろう。
PRODUTTORI DEL BARBARESCO BARBARESCO RISERVA PAJE
プロドゥットーリ・デル・バルバレスコ バルバレスコ・リゼルヴァ パイエ
生産地:イタリア ピエモンテ州 バルバレスコ
原産地呼称:DOCG. BARBARESCO
品種:ネッビオーロ 100%
味わい:赤ワイン 辛口 フルボディ
ヴィノス:96 ポイント
2016年のパイエは、深みのあるスパイスの魅力的な香りとともに始まる。美しい層をなし、圧倒的な濃厚さと力強さがグラスから伺える。青色や紫色の果実、クローブ、ラヴェンダー、メントールが、このリッチで魅惑的なバルバレスコに非常に多くの特徴をもたらしている。タンニンは健在だが、果実の濃厚さに埋もれてしまいそうな印象だ。実に見事なワイン。≪飲み頃:2024 - 2041年|2020年10月掲載≫
ワインアドヴォケイト:95 ポイント
輪郭の際立つラインとエレガントなシャープさが感じられ、チェリーとカシスのアロマがスモーク、タール、甘草へとゆっくりと変化してゆく。このワインは、美しく清らかで、芳醇な香りを持つ。整然としていて余分なものが一切ない。口当たりも良く、しっかりとしたストラクチャー、タンニン、張りのある果実味が特徴的だ。この年のパジェは、非常に素晴らしい。≪飲み頃:2024-2045年|2021/6/18掲載≫