梅干しの塩分について
梅干しを食べたいけど、塩分が気になるという声をよく耳にします。
たしかに、本来の梅干しは約20%の塩分を含む食品です。
しかし、これは梅干しに必用な塩分です。それは第一に保存のためです。
この塩分の浸透圧が酵素を失活させて腐敗を防ぎます。簡単にいうと青梅を成熟させ
つまり、梅干しが腐らないのはこの塩分のおかげです。
でも、スーパーや通販の減塩梅干しは?と思われるかも知れません。
よく塩分8%とか、3%なんていうのもありますよね。実はこれは、一度出来た梅干しを塩抜きして調味しなおしたものです。
問題は、このとき、塩だけでなく、水に溶ける成分が塩と一緒に抜けてしまうことです。そして、このなかには、クエン酸をはじめとするからだにいい成分のほとんどが含まれます。
そのうえ、脱塩によって保存が利かなくなるので保存料を加える必要が生じます。
つまり脱塩によって、せっかくのいいところが失われ、不要なものが増えることになります。
もうひとつ、梅には本来カリウムが豊富に含まれていて、余分な塩分を体から排泄する働きがあるのですが、これも水溶性の成分のため塩と一緒に抜けてしまいます。
つまり、体に残る塩分をプラスマイナスすると、数字で見るほど脱塩の効果はないことになります。
また、最近の研究では、梅に含まれる成分が血圧をあげるホルモンを抑えることにより、梅干しの塩分では血圧が上がらないということがわかってきています。
脱塩した梅干しが、すべて良くないというわけではありません。うめ八の梅干しにも脱塩したものはあります。問題は脱塩の程度です。
では塩分とりすぎにならなくて、しかも、日持ちがして、梅のいいところが残っているのは塩分何%くらいか?
うめ八ではこれを約10%と考えます。これより低い8%くらいまでは常温保存が可能なのですが、保存状態によって発酵などが起こるおそれが高まります。うめ八では原則として塩分10%をひとつの目安にして、梅干しを選んでいます。
ただし、最初にいい梅であることが前提です。
また、塩の量だけでなく、塩の品質も大切です。うめ八では、梅干しを、塩分の濃さではなく、量で調節することをおすすめしています。もちろん、体調によって、医師の指示がある場合にはそちらをまもってください。
これらを勘案した上で、上手に梅干しをご利用ください。