中央にスケアクロウ(案山子)というワイン名。その上には案山子の可愛いアイコン。そしてヴィンテージだけが記されたシンプルなラベル。そのシンプルさ故に物語性と大きな自信を感じるボトルです。これがアメリカ・カリフォルニアを代表する新プレミアム・ワイン。 ワイナリーのウェイティング・リストには5000人以上が名を連ね、手に入れる事が困難なワインとしても有名です。ワイン・コンサルタントはセリア・ウェルチ。1990年代に脚光を浴びた「パルメイヤー」「コルギン」を造り出したヘレン・ターリー、「スクリーミング・イーグル」のハイジ・パレットと並び称される新たなカルトワインの女王です。新記録はまだ続きます。2011年2月に開催されたプレミアム・ナパ・ヴァレー・オークションでは2009年の60本が12万5千ドル(1千万円越え)の最高額で新記録を樹立。そんなスケアクロウ。何故、案山子? これには創業者の職業が絡んでいます。2009年に創業したジョセフ・ジャドソン・コーンはアメリカ老舗映画会社の元プロダクチョン・チーフ。「ベン・ハー」「オズの魔法使い」でハリウッドの黄金時代を築いた一人でした。1939年に児童文学を実写化した「オズの魔法使い」は主人公の少女ドロシーとライオン、ブリキ男、案山子が一緒に旅をします。ワインは農業の産物である葡萄から造られる。案山子はその農業の象徴であるとコーン氏の孫であるオーナーのブレット・ロペスが命名しました。実はこの畑がある場所は高級ワインで有名なナパ・ヴァレーにあり、その中でもラザフォード・ベンチと呼ばれ特に高品質なカベルネ・ソーヴィニョンが育つ凄い場所。相続時に土地を手放す危機がありましたが、映画監督のフランシス・コッポラが尽力して現在の形に。どこまでも映画繋がりのワインなのです。