「最高の葡萄畑は川が見えるところにある」これはボルドー地方の格言です。フランスで最も有名なワイン産地です。しかし、どの川でも良いのではなく、この川はジロンド川を指しています。つまりは限られたシャトーにしか当てはまらない言葉。デュクリュ・ボーカイユは小高い場所から樹木越しに川が見える最高の立地です。金色の気品溢れるラベルに描かれているシャトーはヴィクトリア様式で建築された壮麗なシャトー。左右対称の別邸の塔側からのものです。美しい風景の中の美しいシャトー。でも、それだけではありません。1855年に制定されたメドックの格付けに第2級にランクイン。その実力は第1級の4シャトーを凌ぐとして、早い段階からスーパーセカンド(超2級)と言われ現在も続いています。 シャトー名は1795年にベルトラン・デュクリュ氏が買い取った事からの命名。畑名のボーカイユを続けて現在の名前になりました。ボーカイユは「美しい砂利」の意味。土壌はジロンド川が合流する大河ガロンヌ川が運んで来た堆積物。深い粘土質の上になめらかで丸く大きな砂利の層が重なります。この土壌こそ、ワインの主体になるカベルネ・ソーヴィニョンに最適な水はけの良い土壌。シャトーは1941年から現在の当主であるボリー一族が所有。品質を高めた功績でよく知られている一族です。「1855年の格付けは傑出したワインが造れるという可能性を示しただけのもので可能性を現実にするのが一族の役割」と考えています。その静かな情熱はワインに結実し、サン・ジュリアン村のワインらしい柔らかくしなやかでありながら同時に相反する長熟する能力を秘めているのが特徴です。ワイン評論家ロバート・パーカーが「ワイン通が好んで買うワインである」と言うのはそういう事なのです。