グラーヴ地区のペサック・レオニャンに位置するChâteau La Mission Haut-Brionシャトー・ラ・ミッション・オー・ブリオンは、Château Haut Brionシャトー・オー・ブリオンと隣接するシャトー。
有名なこの2シャトーは、両者ともこのアペラシオンの最重要シャトーです。

グラーヴのワインは古くからイングランドと関わりがありました。
フランスのこの地域は1152年から1453年までイングランドの統治下にあったからです。

フランス革命まで、ラ・ミッション・オー・ブリオンは修道士たちが管理していました。それが名前（ミッション＝布教）の由来となっています。
近代以降、1918年にフレデリック・ウォルトナーがシャトー を購入し、その後すぐ1921年に二人の息子アンリとフェルナンが運営を任されます。
革新者であった二人は、この地方で初めてガラスコーティングが施されたステンレス製タンクを導入しました。
指導的立場のアンリは死去する1974年まで指揮を取り続けました。

1983年、ラ・ミッションは、長年のライバルであるシャトー・オー・ブリオンを所有するアメリカのデュロン家に買収されます。
この両シャトーのワインは、いずれもリッチで素朴な風味があり、タバコの香りがあるという特徴は共通していますが、それぞれに独自の特性があります。
ラ・ミッション・オー・ブリオンは、通常シャトー・オー・ブリオンよりもはるかに多くのメルローを使用しています。
ラ・ミッションのワインは、濃厚でリッチで力強く、フルーティー。
滑らかなタンニンのあるフルボディだとよく称されます。

ラ・ミッションは、Château Latour　シャトー・ラトゥール 同様、不良の収穫年も一貫して安定したワイン造りをすることがよく知られています。

29ヘクタールあるブドウ畑では、カベルネ・ソーヴィニヨン46%、メルロー 44%、カベルネ・フラン10%が栽培され、毎年72,000本以上のワインを生産しています。

La Chapelle de La Mission Haut-Brionラ・シャペル・ド・ラ・ミッション・オー・ブリオンは、ラ・ミッション・オー・ブリオンのセカンド・ワインです。

2006年以来、このセカンド・ワインは、クリュ・クラッセのシャトーであるChâteau La Tour Haut-Brion　シャトー・ラ・トゥール・オー・ブリオンのブドウがブレンドされています。シャトー・ラトゥール・オー・ブリオン名でのワイン生産は2005年が最後となりました。

さらにデュロン家は、ボルドーの最上級白ワインの一つも造っています。この白ワインは2009年に名称が変更され、La Mission Haut-Brion Blancラ ・ミッション・オー・ブリオン・ブランとなりました。
ボルドーの他の白ワインの中でもソーヴィニヨン・ブランよりセミヨンの比率が高いワインです。

シャトー・ラ・ミッション・オー・ブリオンは、有名な1855年のメドックの格付けに選ばれたことはありません。が、1959年のグラーヴの格付けではシャトー・オー・ブリオンおよびその他14シャトーとともにグラン・クリュ・クラッセ・ド・グラーヴに選ばれています。