ボルドー市の南、グラーヴ地区のサブ・アペラシオンであるぺサック・レオニャンに位置するシャトー・オー・ブリオン。メドックの格付け第1級の五大シャトーの中で最も古く、こじんまりとしたシャトーです。オー・ブリオンは唯一メドック地区以外から第1級に格付けされました。偉大なクラレットのコンセプトは1660年代にこの地で始まりました。
シャトー・オー・ブリオンはチャールズ2世のワインセラーに保管されていた記録もあります。他の第1級シャトーよりはるかに先んじて王室でサービスされていたのです。

歴史の流れの中で所有者は幾度か変わっています。どのオーナーも相次いで不成功に終わった後、1935年にアメリカの銀行家クラランス・デュロンが購入。現在は、孫にあたるルクセンブルクのロベール皇太子が運営にあたっています。

繊細さと力強さを兼ね備えたエレガントな味わいのシャトー・オー・ブリオン。
土やタバコのアロマを持つと表現されます。より上品でまろやかなことから、他の左岸ワインより魅力的な場合も多く、実際、メルローの比率が高いので、オー・ブリオンは右岸のサン・テミリオンのスタイルに近いと言えます。
典型的な品種のブレンド比率は、カベルネ・ソーヴィニヨン47%、メルロー43%、カベルネ・フラン10%です。

お隣のLa Mission Haut-Brionラ・ミッション・オー・ブリオンは、オー・ブリオンの古くからのライバルです。オー・ブリオンとは対照的に、重厚で荒々しく力強いスタイルですが、オー・ブリオンと同様に素晴らしく、高い人気があります。1983年にデュロン家がラ・ミッションを購入し、オー・ブリオンと同じ所有者になりましたが、二者の競争は今も続いています。

オー・ブリオンのセカンド・ラベルは、Bahans-Haut Brionバーン・オー・ブリオンと呼ばれていましたが、2007年にクラランス・デュロンを讃えてClarance de Haut-Brionクラランス・ド・オー・ブリオンと改名されました。

グラーヴ地区は、メドック地区やサン・テミリオン地区などと違い、ほとんどのシャトーが赤、白両方のワインを生産しています。オー・ブリオンは、Chateau Haut-Brion Blancシャトー・オー・ブリオン・ブランという極めて貴重な白ワインも造っています。品種のブレンドはセミヨン63%、ソーヴィニヨン・ブラン37%です。