90年ほど前の、当時のお弟子さんが持っていらしたご親族たちの写真。後ろに御池通沿いの本店が写っている
弊店は京都の地で明治32年に創業、120年以上続く理美容室です。“道のど真ん中を大手を振って歩ける商いをせいよ。本物を追求せいよ。皆様に喜んでもらえよ”を家訓に最高のヘアデザインの提供を目指してくる中で、先代が「お客様の髪のコンディションがスタイルの持ちやデザインに影響する」ことに気づきました。お客様にヒアリングを続けた結果、使っておられるシャンプーと髪の状態の因果関係にたどり着き、半世紀に渡り、世界中からシャンプーを取り寄せ、100種を超える製品を調査研究。良質なシャンプーがあると聞けば開発者を訪ねて話を聞き、自らの髪で試すということを繰り返してきたのです。
その先代が私の両親で、私も実験台にされるうちに興味を持ちました。小学校2年生の夏休みの自由研究のテーマは「シャンプーの界面活性剤と成分の毒性」。そのころからランドセルに常にシャンプーのサンプルを入れて持ち歩き、注文をとっていましたから、シャンプーの販売歴では同じ年齢の人に絶対負けません(笑)。
そして当然のように4代目として美容師の道へと進むわけですが、お客様の髪や頭皮の状態にあまりにも問題が多く、カウンセリングに時間をかけていました。そのうち、「これは専門的な知識を持ってしっかり伝えていく必要がある」と感じ、ハサミを置くことにしたのです。以来、お客様の髪の悩みに向き合う「カウンセリング専門のヘアコンディショニスト」として活動しています。
多いのはやはり、薄毛のご相談です。パーマやカラーリングで頭皮や髪が乾燥し、その影響で抜けたり細くなったりということが多発しています。日常使っているシャンプー剤の過剰な洗浄成分も、悩みを深刻化させる原因です。
パーマやカラーを控え、さらに日常お使いのシャンプーを変えていただく必要があるのですが、多くの方に手の届く価格帯で、かつコンディションを整える機能を持つというものが、既製品にどうしても見つかりませんでした。実はシャンプーをつくることは、売りの姿勢になりかねないため、久田家ではご法度なのですが、必要性から開発に踏み切り、なんとか先代も納得するものが完成しました。
お客様の髪のコンディションが整い始めてツヤが出てくると、白髪が目立たなくなるとか、モテるようになる、ご飯を奢ってもらう頻度が増えるなどの話をお聞きします。人が美しさや若々しさを認識するのは色ではなく光、つまり「ツヤ」なのですよね。これからも、さらに研究を重ね、良いものをご提供してまいります。