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760年もの歴史をもつ銘茶の里、
(旧)春日村では、今なお「在来種」の
お茶の木が大地に根付いています。

お茶と言えば、まず有名なのは静岡、宇治のお茶でしょうか。
一部のお茶どころが日本のお茶市場の中で確固たる地位を築きあげた近年、
多くの日本のお茶畑から「在来種」のお茶の木が徐々に減り、
育てやすい売りやすい「改良種」のお茶の木に植え変えられてきていますが、。
「在来種」の茶木が、まだしっかりと大地に根付いている
地域も少なからずまだ残っています。
岐阜県の(旧)春日村もそのひとつ。
岐阜県の揖斐川支流の山間地域は、“ガラガラ”土の土壌と
昼夜との温度差が高いという恵まれた気象条件で、昔からお茶の
栽培には理想的な地域です。「美濃の国」と呼ばれたこの地域には、
「美濃白川茶」、「美濃いび茶」の二大銘茶がありますが、
春日村のお茶も、「美濃いび茶」として売られてきました。
(旧)春日村には760年にわたるお茶の歴史があり、その茶木の
ほとんどは「在来種」です。農薬も化学肥料も一切使わない、
自然のままのお茶作りが今も続いており、
その香りと味わいは、他のお茶とは一線を画しています。
「春日のお茶を入れないと味が引き立たん。」
と、あちこちから業者さんが買い付けに来て、春日のお茶は消えていきました。
他の産地のお茶に混ぜられて、長い間売られてきました。
「でも、そうして姿を変えたお茶の味は、どこか違うのです。」
春日のお茶農家に生まれ、小さい頃から春日のお茶の味に
慣れ親しんできた人たちは、ずっと疑問に思っていたそうです。
それに、「在来種」のお茶は、収穫時期が「改良種」より遅いという
理由で、一般のお茶市場では安く買い叩かれます。
後継者も少なくなり、高齢化した農家の方たちは、茶畑の
手入れをせず荒らしたままという状態になりつつありました。
そんな中、
「何百年もがんばってきたお茶の木がかわいそう!」
「たくさんの人に、本当のお茶の味を知ってほしい!」
「春日の人たちにお茶作りの喜びを感じてほしい!」
「本当のお茶の味を伝えたい!」
という思いで、小さなお茶屋さんを作り、純粋な「在来種」である
「春日のお茶」を守っていらっしゃるのが、「ちゃぼぼ園」の中村さんです。
何百年も前からの「在来種」だからこそのお茶の香り、
風味をもっとたくさんの人に知ってほしい!
そして、これ以上、日本から「在来種」のお茶の木が
消えていきませんように!
それが、「ちゃぼぼ園」中村さんの願いです。
「あんなゴボウ根のお茶、引っこ抜けるもんじゃない!」
「村の人たちは、「改良種」のお茶に植え替えたくても 在来種のゴボウ根が引っこ抜けなくて、あきらめていたんです。」
と、中村さんが話してくれたのが印象的でした。
日本人のお茶の好みが変化し、「やぶきた種」全盛になってしまった近年、
自然の力だけで大きくなる「在来種」はゆっくりとしか成長しないため、
市場に出る時期には安く買い叩かれるようになっています。
村の人たちも、「在来種のお茶を作っても作り損。」ということで、一時期「改良種」
のお茶に植え替えようとしたことがありました。しかし、何百年も地面に根を張った
「在来種」のお茶の木は容易には抜けないのです。
山間の急斜面になった茶畑には大きな機械も入りません。
「あんなゴボウ根の木、抜けるもんじゃない!」と、ため息まじり。
ほとんどの農家の方はあきらめて、茶園はそのままになっているそうです。
「ゴボウ根」であることは、「在来種」のお茶の特徴であり、誇りです。
実際にお茶を作っている方たちもその価値に気がついていないという実情。
売るのに都合が悪いからという理由で、本物のお茶がすたれていくのは、
とても残念なことだと思います。
植え替えられそうになった「在来種」のお茶の木は、必死に地面にしがみついて
いたのではないでしょうか?
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