雅楽について
雅楽は、我が国古来の音楽と
千数百年前より順次アジア大陸の仏教圏諸国から伝来した外国音楽が
渾然と融合し、長い歴史の中で育てられ
ほぼ十世紀(平安時代中期)に完成された世界最古最高の古典芸術です。
我が国古来の音楽は、主として声楽であって、
和琴・笛等の楽器を用いた素朴な音楽で
これに外来音楽として朝鮮方面を経て入ってきた高麗楽(右方)と
中国・インド方面より入ってきた唐楽(左方)とが合わされて
今日の雅楽に大成されます。
■雅楽の楽器について
管弦は、「三管・両弦・三鼓」の楽器編成で演奏します。
「三管」とは笙・篳篥・龍笛の三種の管楽器を、
「両弦」とは琵琶・筝の二種の絃楽器を、
「三鼓」とは鞨鼓・太鼓・鉦鼓の三種の打楽器をいいます。
演奏は管楽器が主な役目をします。
すなわち、篳篥が主旋律を奏し、龍笛が同じ旋律をやや装飾的に奏します。
これに、笙が和音をつけます。絃楽器はもちろんリズムを受け持ちますが、絃楽器も主としてリズム楽器として用います。
また、舞楽には三ノ鼓・大太鼓・大鉦鼓・高麗笛なども用い、絃楽器は使いません。歌物には和琴・笏拍子・神楽笛なども用います。
■雅楽はよく耳にする曲?
雅楽という言葉は聞いたことあるけど、
曲は聞いたことがないなと思われている方もおられるかもしれません。しかし、一度は必ず耳にしたことがあるという有名な雅楽の曲があります。
神社や結婚式などでよく流れている曲が、実は雅楽の曲なのです。曲名は「越天楽(えてんらく)」
雅楽の中で最も有名な曲ですが、曲名はあまり知られていないかもしれませんね。
またよく使われる「呂律がまわらない」「打ち合わせ」「上手い」などの言葉の語源は雅楽で使われていた言葉からです。
|