今回のオススメは、岐阜県美濃加茂市の小さな製麺会社・桜井食品株式会社からお届けする「ベジタリアンのためのラーメン」。
植物性100%で無添加って、なんだか美味しくなさそう?
いいえ、そんなことはありません。
創業から100年を超える老舗企業・桜井食品。長く続く秘訣は、常に次の時代を見つめて「どうしたら皆さんのお役に立てるのか」を考え、誠実な商品づくりを続けていること。
ベジタリアンでなくても大満足、健康志向と美味しさを兼ね備えた即席ラーメンです。
60年も前から無添加。桜井食品はナチュラルフードの先駆者
今から60年以上前の日本。農薬を使った漂白小麦粉が主流なら、添加物を使うのも当然だった時代。桜井食品も、他社と同じようにそれらの材料を使って麺を作っていました。
そんなある日、二代目にあたる当時の社長が病に倒れます。治療に向き合う中で目覚めたのは「地球はみんなのもの。地球に優しくあることでみんな幸せになる」という信念。
「理想を叶えるために、1961年から添加物の使用をやめ、自分たちで無農薬・無漂白の小麦粉を作り始めたんですね」と、桜井社長。
桜井食品併設の自然食品ショップ「わらべ村」に移動中。右が桜井食品株式会社の代表取締役・桜井芳明さん、左がお話の尊さに放心する筆者です
「ですが、初めて出来た無漂白の麺は、色がくすんでいて……全く売れず。それまでのヒット商品もすべて製造を止めたため、苦しい経営が続いたと聞いています」
最初は見た目が悪くて売れなくても、自分の子や孫にも安心して手渡せるラーメンは未来に必要なものだからと、諦めずに歩んだ歴史。信念が尊すぎます……。
やがて1970年代に入り、レイチェル・カーソンの『沈黙の春』や有吉佐和子の『複合汚染』など、地球の環境問題を取り上げた著書がベストセラーに。農薬や添加物の弊害が人々の関心を集め、桜井食品への問い合わせも増えていったそうです。
見事な先見の明。桜井食品の「地球はみんなのもの」という信念は、今まさに世界中で注目されている、持続可能な社会のための「SDGs」と通じるのではないでしょうか。
あくなき勉強意欲、他社の自然食品コンシェルジュも兼任!?
桜井食品の社屋のすぐ隣には、系列の自然食品・マクロビオティック&ヴィーガン食材ショップ「わらべ村」があります。
なんと、原料に肉・魚・砂糖を使っていない品だけを扱うお店なんですって!
健康志向でなくても、棚を見ているだけでワクワク。一日中いても飽きない。
もちろん「ベジタリアンのためのラーメン」も並んでいます。
オススメの他社商品もあるようですが、今回のセットでの桜井社長イチ押しは「豆乳ピリ辛めん」とのこと。
某人気ラーメン店でプラントベースのラーメンが発売され、初日に飛んで向かったという桜井社長。「うちのベジタリアンの味も負けていませんでした」と笑いながら、安心安全な食品の広がりが純粋に嬉しいと話します。
植物性100%で無添加のラーメンが、こんなに美味しいなんて。
「無かんすいのラーメンが欲しい」
「森を壊すパーム油を使わないで」
「動物性原料をゼロにして」
寄せられるお客様の声に、最新の研究と技術で誠実に応えてきた桜井食品。
そうして出来あがった「ベジタリアンのためのラーメン」なんです。
すべて無かんすい麺、国産小麦を使用。食品添加物は一切不使用。持続可能なパーム油のための国際規格「RSPO認証」を取得した特別なパーム油のみが使われています。
RSPO認証パーム油も並ぶ、桜井食品の工場にて。
「パーム油に限らずなんでも同じですが、環境を破壊しない方法を選ぶこと、フェアトレードで不当な労働を防ぐことは、持続可能な未来のために重要な課題です」と桜井社長。
もちろん安心安全だけでなく、味にも相当こだわられています。
筆者もいただきましたが、美味しい!!
「本当に野菜だけで、このコクや旨みが出ているの?」 純粋に驚きました。
ベジタリアンでなくても、このラーメン、身体が喜びますよ♪
自然に優しい紙の包装袋。これから包装は徐々に紙製へと変わるそう。
玄関には新商品アンケートBOXが設置されていました。
「皆さんの声をたくさん聞きたいですね」と桜井社長。
お客様の声を重視した誠実な商品開発は、これからも続きます。
「私たちのような小さな会社でも、ここまでできるよ。だから、みんな一緒にやろうよ!……そんな想いを商品に込めています」
桜井食品から、願いをこめたラブレター。
あなたのもとにも届きますように。
レポート:橋本 佳奈 フォト:小池 輝、丹下 恵実 編集協力:谷 亜由子
(2021年3月31日掲載)
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