オーバル皿 「白吉」の威力

東屋のオーバル皿 「白吉」 は、手仕事の跡が残るほぼ人力な量産品、見慣れたマシンメイドの量産品と異なる、個性的な雰囲気が何より魅力のプレートです。元ネタになっているのは19世紀の日本製西洋皿、この時期の白磁は珍しいそうで、そんな1枚の古物から白吉は誕生しています。だからか未来の蚤の市で売られていたら、情報がなかったとしても人気になりそうです。そんなクラシックな雰囲気もあるプレートだから、日本的洋食がとってもよく似合う！そこが僕のお気に入りポイントです。27cm×20.5cmと大きなプレートですが、オーバル型だから使っていて大きく感じることはないですし、リムも3.5cmほど幅があるので料理がとっても立派に見えます。ナイスバランス＆素晴らしい使い心地に大満足だと思いますよ。そして、この白吉には凄い威力があり、気付けばいつも使うお皿になってしまうんです。それは和食器と洋食器を混ぜて使って、チグハグに見えないところです。まさに和食器と洋食器を仲介する「まとめ役」、この白吉を中心に据えれば、東屋の和食器とアラビアの洋食器、イッタラのガラス食器を混ぜて使っても、なんとなくまとまって見えます。自分の撮った食卓写真を見返してみると、白吉を使っている時は和食器と洋食器を分けて使うことなんて全然考えていないことに気付きました。僕のセットアップはパラティッシブラックやエミリアのようなモノクロ洋食器と合わせることが多いようです。そして横にはお茶碗とお椀、日本らしい自然なセットアップ、これこそ日本の食卓のナウ！スコープ的生活には一人一枚白吉を！必須アイテムです。

1000枚貯まったら発売

一枚ずつペタペタと手で作られているので、すぐに沢山のプレートが出来上がるわけではありません。コツコツ生産を重ねていって、東屋さんに1000枚貯まりましたら発売される、そんな流れになるようです。なので、2024年10月10日発売ですが、今回生産された1000枚が完売した後の再入荷予定は？それは全くわかりません。ただ、スコープは個別販売するので入荷分を何回かに分けて販売しますから欠品しても短期間で追加されるという流れは普通にあります。

なんでもかんでもコレ

Teemaディーププレート21cmは万能皿、コレさえあればの1枚、かなりの用途をカバーしてくれます。そして、この白吉もそれに近い万能感があるんです。流石にラーメンやうどんは無理ですが、あらゆる食事に似合ってしまいます。パスタ、カレー、フレンチトースト、焼きそば、炒飯、どんな料理もワンプレートでバッチリ決まりますし、簡単に作ってササっと終わらせたい食事であっても、なんかいい感じに見えて美味しく感じてしまうのだから最高です。いつの時代にあっても人気になりそうな、日常使いの名作プレートだと思います。

白吉の作り方

天草の山を掘るとでてくる白い石、天草陶石を砕いて叩いて粉にして水に晒し、水分を搾って練った粘土を使って作られています。その粘土を板状に切って石膏型に置き、少しずつ指で押して一つずつ形作っていきます。これがタタラの型打ちという作り方、伊賀の長角皿と同じです。轆轤（ろくろ）の様に回転から作る形とは違い、静止している土を人の手がペタペタとやるので、どうしてもより明らかに一つ一つに無作為な個性が宿ります。歪み、大きな黒点、小さな黒点、そんなナニカしらが個性的で雰囲気を良くしている。重ねるとわかり易いのですが、同じようで全然違います。試作品をいくつか使ってきて、初期モデルはどれもガタガタしていましたが、慣れてくると全然気にならないし、そこがいいとすら思えてくる。完成した白吉はガタガタしませんけれども、少しガタガタする物が届きましたら使い続けてみるのが良いと思うんです。きっと、気に入る日がきますから。

スペック