一番使っているのは
ミディアムのスプーン

用途が超ニッチなサイドカトラリーの中でもミディアムサイズは、誰の生活にあっても相当使えるはずで、サイドカトラリーのセンター的アイテムといえます。狙ったところは取り分け用スプーンとフォークです。大きなサラダサーバはいくらでもありますが、小さな物となるとナカナカ見当たらない。普通はディナー用カトラリー、デザート用カトラリーを添えるのでしょうけれど、もっと存在は薄くあってくれた方が僕には丁度よく感じられます。できれば、そこまで大きくもないお皿に盛られた料理を取り分けるにも向いた物であって欲しい。ディナースプーン・ディナーフォークより小さなサイズ感で、柄は細く長くデザインされていますから、お皿が大きくても、小さくても、それに添えるカトラリーとしてバランスが取り易いです。正直に書いてしまいますと、狙ってそうなったわけではなく、結果そうだったってだけなのですが、奇跡的に素晴らしい使い勝手となっております。18cm程度の皿（もっと小さくてもいけます）から、サービングプラターまでカバーしてくれるでしょう。また東屋のジューサーでドレッシングを作り、そこにスプーンを添えてもいいバランスと使い心地です。ミディアムサイズは、予想以上に使えるシーンが多いので、1セットあれば良いかな？と最初は思うかもしれないのですが、最終3セットぐらい揃えて満足いくのではないかと、そんな風に感じます。特にスプーンはよく使います。ちなみに柄の細いカトラリーが苦にならなければ、デザート用カトラリーとして使うのもありです。カップに入ったヨーグルトを食べる時、側面についたヨーグルトも気持ち良く、綺麗に掬いとれます。合う合わないもあると思いますが、持っている人はそんな使い方も試してみてください。

ミニスプーン
かなり優秀、2番目に使ってる！

小さなピックやスプーンのイイ物ってのがナカナカない。古い物にはあるんだけど、現行物となると何故だか少ない。では作ろうじゃないか！実際に生産に取り組んでみると、その道に進みたくなくなる気持ちがよくわかる。小さい物ほど作りにくく手間が掛かる。でも小さいんだから安くなければいけない感覚もあって、頑張った割には報われない物なのです。だから、みんな避けて通るのでしょう。材料代より手間賃の比率が非常に高くなってしまうのです。それでも特にミニスプーンは完成させて良かったと思っています。テーブルでも上品な存在感を醸してくれますし、ミニスプーンはかなり便利に使い続けています。それは塩やスパイスを掬うにバッチリだからです。またUltimaThuleコーディアルに何かをいれましたら、そこにはミニスプーンをどうぞ。ニッチな物ではありますが、ミニスプーンは1つあったら便利なのは間違いないです。ショートピックについては、東屋の姫フォークもリリースされ、大変な人気となっていますから、僕はそちらでもイイと思うのです。洋風なる方向にはサイドカトラリーショートピック、和風なる方向には姫フォークと使い分けていただけましたら最高ですが、無駄になるといけませんので姫フォーク愛用で満足いっていれば、ショートピックはスルーしてください。そもそもメインで使う物でもないから、サイドカトラリーという名前を冠しているわけで、サイドであるから全て揃える必要もないですから。気になった物があれば、まずは1本手にして、使ってみて、生活にある穴を埋めてみて、それで足りないようであれば増やしてみて、そんな方向にて是非どうぞ。スモールサイズのニッチな用途、それは塩や薬味、スパイス用のスプーンであり、オリーブやチーズを食べるのに使うピックであり、そんな物です。

かなりニッチ
ロングサイズ

多分、ロングサイズの需要は極めて少ないはず、欲する人はごく僅かなはず、そんな超ニッチな物になること間違いないはず。それで製品化を最後にしたのですが、あったらあったで楽しい物、使ってみるといいねと思ったので、こういうの待ってた！って人もきっといる、はず。そう信じて発売してみます。どうですか？どうだろう。マドラー的に使えるスプーンとフォーク、そんな物です。長いグラスでアイスラテを作りました、クリームソーダを作りました、カクテルを作りました、そんな時に混ぜるには具合がよく、見た目もよいスプーン、長いグラスの底に沈むナニかを刺して食べようのフォーク（実際、底にあるナニカを刺そうとするとナカナカ大変なので、チェリーやオリーブを指してグラスにいれるというのがイージーだと思う）そんな2型です。作るのが一番大変な物なのに、一番人気ないかも？というのは洒落たバランスです。カクテルに限らず、お酒を何かで割れば、何かで混ぜるわけだから、箸で混ぜるより、それに向いた物で混ぜた方が雰囲気は良いのは当然です。またアイスラテなんかを二層化して作ってだしたりだとか、そうでなくてもシロップをいれれば混ぜるわけだから必要になりますし、クリームソーダを作ったりすれば、長いスプーンが欲しくなる。タイム＆スタイルのTSUYUやRIPPLEのBeerに合わせると丁度よい具合です。背の高いグラスで何か飲むのなら、それなりに使えるアイテムであり、そんなアイテムというのはナカナカないし、ストロー使わない派なら必須ともいえます。でも、そんな長いグラス使わないとか、混ぜないとか、ストロー使うからっていうのなら、全く必要ないです。流石はサイドカトラリー、メインでないっぷりが半端ない。ニッチになればなるほど、ブレの無さを感じてしまう。こんなの欲しかった！と思わなければ買わなくていいと思う。スプーンの方が出番は断然多いです。

メインではないカトラリー
3年半の時を経てようやく

ウミウチワ柄テキスタイルや、キッチンツールキャニスターをデザインしてくれているプルーフオブギルドと、何より早くに作り始めたのが、このサイドカトラリーなのですが、完成まであまりに時間を費やし過ぎ、先頭バッタ?とはなりませんでした。カトラリーを作るとなると、大抵の場合はディナーセットが中心にあり、そこからデザートセット、コーヒースプーン、ティースプーンなどのバリエーションが生み出されていくのだと思います。けれど、このカトラリー群にはディナースプーン、ディナーフォークといった本来中心にある製品群がソモソモありません。カトラリーシリーズには必ずある物ではなく、あったとしても注目されることのない超ニッチなカトラリーであったり、だれも作ろうとしない特殊用途のカトラリー（大体は代用で穴埋めされているポジション）、そんな枠外にあるカトラリー群をまとめて作ってみようと思っての企画です。その名はサイドカトラリー。写真を見ていただくとわかるように、形状はかなり特殊です。「量産し易いようにデザインする」という視点は全くないまま完成していますから、無駄も無茶も多く、かなり特殊な物となりました。製造元さんにはかなりの苦労を掛けてしまっている物です。柄は細くて厚く、複雑に曲がっている。これは新潟県燕市のカトラリーメーカーであっても、相当に厄介なのだそうです。そんな事もあって試作と修正を繰り返していたら、企画スタートから初回納品まで3年半も経過していたという浦島太郎現象。そして今でも製造上困難なポイントを多く含んでいるから、発注してもいつ入荷できるか不明といった状況が続いています。全6型同時に試作開始し、まず製品化できたのは2017年12月にミドルサイズ2型。そして2018年6月にスモールサイズ2型。そして2019年3月、ようやくロングサイズのピックとスプーンを発売。いやはや、大変な物を作っちゃったな。