パッと華やぐピンクは「撫子色」と名付けられ、撫子の花のような優しい色です。「大和撫子」という日本の美しい女性を象徴する言葉でも使用される撫子。穏やかな美しさを感じます。
そして被布の中心に「花丸紋」が描かれ、丸紋は線が続き終わりがないことから永遠の幸せを意味します。また「円=縁」を連想し、人とのご縁を大切にしてほしい、ご縁に恵まれてほしいという願いが込められます。
着物には愛くるしい文様が沢山。「うさぎ」は、ぴょんと跳ぶその動きから跳躍、飛躍を表すとされています。また物事がとんとん拍子にすすむという縁起のいい意味が込められます。そして良縁や縁結びの意味もあります。可愛らしいルックスが女の子着物にぴったりです。
「でんでん太鼓」は、丸く両面で音が鳴ることから、裏表のない素直な子に育ちますようにという願いが込められます。「手毬」は平安時代の貴族の遊びだったことから高貴さを表します。
まるでおもちゃ箱のような楽しさと可愛らしさのあるこちらの着物。描かれる文様は、子どもから見ても楽しいものばかりです。着物に込められた大切な意味を一生に語り合うと、子どもにとっても忘れらない装いになるのではないでしょうか。幸せいっぱいの愛くるしい姿は、幼き子の晴れ着の特権でしょう。