鮮やかな「赤色」は熟したイチゴのような色味です。古くから女の子の慶事で使用される色で、邪気除けの意味があるので大切な通過儀礼には相応しく、正統派の着こなしを好まれる方に是非おすすめしたい一着です。
被布は紅白のコントラストで、更におめでたい印象に仕上がっています。「鹿の子絞り」は繊細で可愛らしく女の子の晴れ着でよく目にする古くから親しまれる技法です。立体感が豪華さをアップしてくれます。
華やかに全体に描かれるのは「撫子」です。「大和撫子」は日本の美しい女性を表す言葉で、穏やかで品があり芯の強い女性をイメージします。清らかさや奥ゆかしさを感じる文様です。「子を撫でる」というのは、可憐な花はまるで子どもの頭を撫でるように愛でたい気持ちにさせることから名付けられました。
そして「手毬」は、平安時代の貴族の遊びだったことから、高貴で格調の高さを表し、丸い形状から、何事も丸く収まるように、丸く大きく健やかな成長を願う想いが込められています。コロンとした可愛さは、女の子の晴れ着にぴったりです。
時代は移り変わりますが、古くから変わらない日本の美意識を感じることが出来る晴れ着になります。