春訪れを感じさせる鮮やかな黄緑がとても可愛らしい印象。
「若草色」と呼ばれ、平安時代より親しまれた伝統的な色。早春に芽吹いた若草のような明るく瑞々しいさがあり、「若」という言葉には、新鮮、新しい、未熟などの意味があるので、子どもの成長を祝い、幸福を願う大切な節目に相応しい縁起のよい色が使用されています。
描かれる文様は「宝尽くし」こちらは、中国の吉祥思想のひとつ「八宝」から来ており、福徳を招くおめでたい文様とされています。男の子の晴れ着でよく使用される吉祥文様の一つで、打ち出の小槌、巻き軸、宝珠、隠れ蓑、分銅、丁子など宝物が組み合わされて描かれます。
また「松」を描くことで華やかで高貴な印象を与え、四季を通じて緑色を保つことから、長寿や繁栄を意味します。また力強い樹木を連想し、男の子らしい威厳や勇ましさも感じさせる文様です。
そして「梅」は、寒さに耐えてやがて美しく花開くようにという願いから、これから長い人生で試練や困難に出会ったときにも立ち向かってほしいという意味が込められます。
とても華やかで明るく、幸せな一日に相応しい晴れ着です。