都内に住むキタカジさん(40歳、♂)は会社で使っている合鍵を上司から頼まれてしまいました。どうも鍵屋に頻繁に出入りする姿を見られたらしく、周りからは
キタカジさん=鍵と思われているようです。
会社がらみのこともあり断ることもできず、キタカジさんは渋々引き受けました。
これもよく見るタイプのギザギザ鍵ですが、なかなか油断はできません。
近所のわりと有名な鍵屋さんに行ったところ、あっさりと合鍵が出来上がりました。
見た目にはバッチリです。
これなら大丈夫か、いやいや、まだだ、これからだ。
キタカジさんは警戒しつつも上司に鍵を渡しましたが、以前のこともあるので無理を言って立ち会いで確認することにしました。
上司が鍵を差し込むと
クルッと回転しました。引っかかることもなくスムーズに回転しています。
そう、これだよこれ! 鍵はこうでなくちゃ!!
それを見てやっとひと安心したキタカジさん。
しかし、上司が鍵を抜こうとしますが
抜けません。どうも中で何かが引っかかっているようです。
なんで抜けないんだ、挿さったんなら抜けるのが道理だろう。
そう思いつつ、四苦八苦する上司に変わって何度も押したり引っ張ったりを繰り返しますが全然抜けません。
そのうち、ふっと鍵が軽くなったかと思ったら、鍵の頭だけが手の中にありました。
鍵はポッキリ折れてしまったのです。もちろん折れた反対側は鍵穴の中…。
上司の冷たい視線が背中に刺さります。
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「なんで鍵が抜けないんじゃーっ!」
鍵はとてもデリケートな構造で、
特に防犯性能の高い美和ロック(MIWA)の鍵は、目で見てはわからないくらいの、ほんのちょっとした精度の狂いで回らないことがあります。合鍵の作成には高い精度の技術と工具が必要となります。
またメーカーのみ作成可能な鍵もあるため、
紛失や破損で「いざ」という時に使えなくなってしまっては大問題です。