メータ初のベートーヴェン交響曲全集が遂に登場!
ズービン・メータは1936年生まれ。小澤征爾(1935年生まれ)と同じ世代になります。ウィーンで学び、1959年にはウィーン・フィルとベルリン・フィルを指揮して好評を博し、以来国際的な活躍は60年を越えました。そのメータにしてベートーヴェンの交響曲全集の録音・録画が今まで無かったのには驚かされます。
メータが初めてベートーヴェンの交響曲を録音したのは1974年録音の第7番。ロサンゼルス・フィルの音楽監督に就いてから実に12年目のことで、ベートーヴェンの交響曲に対してはかなり慎重に臨んでいたことがうかがわれます。その後、1978年に第5番と第8番を、1980年に第3番をニューヨーク・フィルと録音。セッション録音されたものはこれがすべて、という少なさです。
一方コンサートでは定期的に取り上げており、第3、5、6、8、9番にはライヴ録音盤があります。第5番には、ベルリン・フィルとイスラエル・フィルとの合同コンサートという極めて特別なイベントのライヴがあり、第9ではニューヨーク・フィルとの特別演奏会(1983年)、バイエルン放送響、ミュンヘン・フィル、バイエルン国立管の合同オーケストラとの東日本大震災復興支援コンサート(2011年)、東京バレエ団創立50周年記念公演のモーリス・ベジャール振付によるバレエ版(イスラエル・フィル、2014年)の3種があります。これらからメータがベートーヴェンの交響曲に特別な思いを持っていることが想像されます。
(曲目・内容欄に続く)
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