フランシスコ・タレガ。フェレール、ボッシュ、マンホン、プラッテン夫人など、近代ギター奏法の父と呼ばれる彼と同時代に活躍したギタリスト達の作品を通じて、“スパニッシュギター” におけるロマン派音楽がどのような変遷を遂げたかを見ていく。“スパニッシュギター” のロマン派は試行錯誤の連続であった。彼らの作品には必ずギターらしさが存在し、それは“スペイン的なもの” と同義であった。彼らが求めた“スパニッシュギター” 音楽の書法や美学はその後も“ギターらしさ” として命脈を保ち続ける。
マヌエル・デ・ファリャによる“ギタリスト以外による初の本格的なギター作品”(讃歌『ドビュッシーの墓に捧げる』)の登場によって、クラシックギター音楽は20 世紀以降、数多くの近現代作品が生み出される。だが、このファリャでさえも、この時点までにギタリスト作曲家達が目指してきた“スパニッシュギター” の美学を忘れてはいない。
近現代以降のクラシックギターというジャンルを理解する上でも、タレガとその前後の時期に活動したギタリスト達の作品を知ることは必須である。彼らの葛藤と試行錯誤の過程こそが、近現代ギター音楽への《道しるべ》となったのだから……
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