紀元前より豊かな文化を育んできたアルメニア共和国。古くはペルシャとオスマン帝国との抗争を通じて教会音楽や民族音楽を吸収し、独自の音楽文化を創り上げてきた国です。1897年に生まれたステパニアンは、グネーシン音楽学校の同門、ハチャトゥリアンが「偉大なアルメニア人」と称賛した作曲家。アルメニアの近代音楽を確立したとされるコミタスの流れを汲み、3曲の交響曲を始め、オペラ、歌曲、ピアノ曲など多数の作品を書いた人です。
ピアノ曲はショパンやラフマニノフ風でありながら、アルメニア民謡のエッセンスを取り入れた郷愁に満ちた旋律が特徴的。この前奏曲集からも、随所にオリエンタルなメロディと独特な音階が聞こえます。
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