フランスの作曲家アルベール・ルーセルは交響曲や『くもの饗宴』などのバレエ作品で知られていますが、あまり耳にすることはないとは言え見事な室内楽作品も書いています。ルーセルは青年時代のおよそ5年間を海軍に従事、退役した後に本格的に音楽を学び1902年に作曲家としてデビュー。1890年代の作品をほとんど破棄し、デビュー以降の作品をカタログ化したため、すでに書かれていたヴァイオリン・ソナタは破棄され、このアルバムに収録された1907-08年のソナタが第1番となりました。ロマンティックな楽想を持つ美しい作品です。
第2番のソナタは1924年の作品。無調に近いものの少しだけ東洋的な響きを纏った15分ほどのコンパクトな作品です。
最後の弦楽三重奏曲は1937年、ルーセルの最後の完成作品。簡潔な形式の中に全体的な統一感が感じられ、各パートが複雑に絡み合いながら曲がすすみ最後は唐突に終わります。
2003年ワシントン国際コンクールで優勝し、現在はオバーリン音楽院で教えるヴァイオリニスト、デイヴィッド・ボウリンを中心としたアンサンブルの演奏です。
作曲家検索リンク(このタイトルに収録されている作曲家)