ここに収録されているのは、いわゆる「パリ交響曲集」の後半3曲。エステルハージ家への専属の縛りが解けたハイドンがパリの演奏団体コンセール・ド・ラ・ロージュ・オランピックの依頼で書いた作品です。作曲の技法と発想の両面で膨大な経験値を備えた作曲家が腕を振るっただけあって、古典的な4楽章形式は共通しつつも内容は変化に富み、収録された3曲の内容は驚くほど多彩です。
木管楽器が豊かな色彩を描く84番、フランス王妃マリー=アントワネットに愛された85番、そしてパリ交響曲集の中でも最も規模が大きく華やかな86番。伝統と革新が鮮やかに交差するこれらの3曲には、交響曲の大家としてのハイドンの筆致が、余すところなく発揮されています。