NAXOSの新シリーズとなるモーツァルトのミサ曲全集。クリストフ・ポッペンが指揮するケルン西ドイツ放送合唱団とケルン室内管弦楽団の演奏による第1集には「ミサ・ロンガ」と呼ばれるハ長調 K.262と中期の傑作「戴冠式ミサ」K.317の2曲を収録。
1775年6月頃、ザルツブルクで作曲された「ミサ・ロンガ(長いミサの意)」はミサ・ブレヴィス(短いミサ)に分類されながら、30分近い演奏時間を持つ堂々たる曲。作品が書かれた目的ははっきりしていませんが、精巧な合唱と拡張されたオーケストレーション、劇的な構成を持ち、とりわけアニュス・デイでのソプラノ・ソロの美しさが耳の残ります。
「戴冠式ミサ」のタイトルはモーツァルト自身の手によるものではなく、後世の人によって付けられたもの。1779年4月、ザルツブルク大聖堂で行われた復活祭の式典のために作曲されたと考えられています。
この演奏ではソプラノ、カロリーナ・ウルリヒ、メゾ・ソプラノのマリー・ヘンリエッテ・ラインホルト、テノールのアンジェロ・ポラック、バスのコンスタンティン・クリンメルという、ドイツの歌劇場やオーケストラ出演で活躍する4人のソリストが起用されており、各々が素晴らしい歌唱を披露しています。
全体をまとめるポッペンはモーツァルトの作品の美しさと壮大さをアピールすることに成功しました。
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