全ては輝く光の渦に巻き込まれ
人としての存在を忘れそうになる陶酔の瞬間を
メシアン最後のオルガン作品である「聖体秘跡の書」は、18の部分からなる深淵で長大な曲です。当時のメシアンは70歳を優に超え、完成に8年を要したオペラ「アッシジの聖フランチェスコ」の初演を終えたばかりでしたが、創作意欲は全く衰えることもなく、この見事な曲を1年で書き終えたのです。この曲には彼の宗教観が全て注ぎ込まれ、荘重なるコラール、即興的な部分、体中に浸みわたる三和音が絶え間なく交錯し、陶酔の境地へと聴き手を誘います。もちろん彼が愛した鳥の声も至るところから聞こえてきます。アメリカの名オルガニスト、ポール・ジェイコブスの光舞い降りるような神々しい演奏で。
作曲家検索リンク(このタイトルに収録されている作曲家)