南国のドビュッシーはこんな感じ、もやもや感を明るいリズムと情熱的な色彩で塗り替える。
準・メルクルとリヨン管弦楽団によるドビュッシーの第3集です。第1集(8.570759)と第2集(8.570993)も大絶賛。今回も色彩感と和声をとことん追求した美しい演奏です。第3集に収録されている「管弦楽のための映像」はドビュッシーが心身ともに疲れていたスランプの時期の作品。もともと2台ピアノと管弦楽のために書かれていて、曲順も違っていました。曲が完成するまでに6年半を要し、最終的に現在の形に落ち着いたという苦心作です。とは言え、イギリス、フランス、スペイン民謡から素材を取ったわかりやすいメロディと、印象派特有の神秘的な響きが交錯、そして脈打つリズムは多分に南国的要素も備えています。特に「イベリア」は単独でも演奏されるほどの人気曲です。
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