19世紀の最も偉大なオペラ作曲家ロッシーニ(1792-1868)。序曲のほんの少しを聴いただけでも、劇的で華やかな舞台がたちまち目の前に浮かびあがります。ベンダとプラハ交響楽団による序曲集の第3集は、有名な「チェネレントラ」を始めとした7曲の序曲を収録。もちろん珍しい作品も含まれており、ロッシーニ好きならば感涙にむせぶこと間違いありません。
冒頭の「マオメット2世(メフメト2世)」は1820年の初演時には序曲はついておらず、1822年の再演時に付け加えられたものです。他の序曲もお馴染みの作品ですが、トラック4の「大序曲」だけは歌劇のためではなく、彼が学生時代にコントラバスのために書いた「独立した作品」です。劇的な風情と快活な表情を併せ持つ見事な転換が心地よい、いかにもロッシーニらしい音楽と言えそうです。
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