英国歌曲の芸術的価値を飛躍的に高める端緒となった名作
ヴォーン・ウィリアムズと言えば、どうしても交響曲などの管弦楽作品に注目が集まってしまいます。しかし多数の合唱曲などからも、実は声楽のジャンルでも本領を発揮していたことがわかります。「旅の歌」は、抒情的な旋律と詩の内容から、英国版のシューベルト「冬の旅」と評されることもあります。ロセッティの詩による「命の家」も同規模の歌曲集。若き作曲者が書いたこれら二つの歌曲集は、単なる抒情に溺れるだけでなく、英国歌曲の芸術的価値を高めた傑作なのです。「リンデン・リー」は作曲者の歌曲中、最も有名な小品。壮年期の「フレデゴンド・ショーヴによる4つの詩」は成熟の跡が見られます。
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