軽妙洒脱、されど重厚な本格派の聴きごたえ
軽妙洒脱でライトな作風というイメージもあるプーランクですが、当盤収録のソナタを中心とする室内楽曲の数々はかなりハードで重たい内容も持っています。ヴァイオリン・ソナタでのほの暗い激情のほとばしりや、バガテルでのピアノの息もつかせぬ重低音打撃とヴァイオリンの重音奏の連続などにはちょっとした衝撃があります。もちろん、オシャレな要素に事欠くこともなく、クラリネット・ソナタやチェロ・ソナタの第2楽章(ほんの一例、書き切れません!)など、秘術を尽くした甘く美しいメロディーと和声の数々は極上の特級品です。それぞれの楽器の特性の生かし方に関しても文句のつけようがなく、あまりに見事というより他にありません。
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