“シナゴーグ”とはユダヤ教の会堂を指し、元々は聖書の朗読と解説を行う集会所でした。いくつかの礼拝所にはオルガンが備えられており、1494年に記された“ボヘミアの祈りの本”にみられるように、典礼の際の伴奏に用いられていましたが、これらのオルガンが独奏楽器として活躍することはあまりなかったようです。19世紀後半になってようやく何人かの作曲家が、祈りの精神と結びついたシナゴーグ独自のオルガン独奏曲を作曲し、オルガン曲のレパートリーに新たな潮流をもたらしました。
このアルバムではそれらの作品の中からいくつかを選択し、年代別に並べることで、19世紀から20世紀にかけてのシナゴーグ・オルガン音楽の変遷を辿ります。独唱を担当するのはオペラ歌手でもある教会カントルのアサフ・レヴィティン。ユダヤの伝統を継承する歌い手として活躍する司祭です。
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