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甦る平家伝説 至宝の一冊
地域に寄り添い、地域を愛した教師の労作改訂新版
椎葉の歴史物語◎鉱脈社
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改訂新版によせて
椎葉村長 椎葉晃充
先ずは、新山芳彦著『椎葉の歴史物語』が改訂新版として発行されることを心からお慶び申し上げます。
初版の『椎葉の歴史物語』は、当時、松尾中学校の教師であった新山先生が昭和五五年二月に発刊しましたが、その後、椎葉村教育委員会により小中学校の副読本『つるとみ姫物語』として、活用されていました。多くの子どもたちが平家伝説に触れて育ちました。
平家落人伝説の里として知られるわが村は、総面積五三七・三五平方キロメートルを有し、その九六パーセントが山林原野に占められています。国見峠、市房山など九州屈指の秀峰をはじめ、標高一〇〇〇メートルを越える山々が連なっています。また、山々を分水界として耳川、小丸川、一ツ瀬川が本村に源を発し、その豊富な水資源は水力発電に利用されています。このように森林に囲まれた環境の中に今なお、民俗文化が伝承され、那須家住宅や椎葉神楽に代表される有形無形の文化財や天然記念物に恵まれています。
その中の一つ、国の重要文化財「那須家住宅」は、通称「鶴富屋敷」として、今も伝説の舞台として親しまれています。
平家落人伝説には諸説ありますが、それは、平家と源氏との物語ですから自ずと平家側の視点と源氏側の視点があり、その立ち位置によって違いがあるのは当然のことで、伝説を語ることからすれば夢が広がって楽しいことであり、嬉しいことです。
このたびの改訂新版には、落人伝説の他に、郷土史、昔話、地域の自治と絆など数多くの郷土文化の新たな話題が加えられ、椎葉の歴史・民俗・社会のほぼすべてが網羅されており、本村にとって至宝の一冊となっています。
最後に、新山芳彦氏の御労苦を心から讃えるとともに、本書の編纂に関わっていただきました教え子のみなさんに深く感謝を申し上げ、発刊の慶びといたします。
二〇二〇(令和2)年十月吉日

改訂新版の発行にあたって
新山芳彦
初版本から四〇年近くが経ちました。当時中学生であった教え子の皆さんは今や五〇代後半へ、私自身傘寿を迎えようとしています。歳月の経つのはまことに早いものです。
そんな時の流れにあって幾度か同窓会に招かれた際に、 「先生、遠くにいる親類があの本を欲しがっているのですが……」
「この年になって久しぶりに読んでみて、わがふる里の歴史は凄いと改めて思いました。子どもや孫たちにも送ってあげたいです」
「もっと多くの人たちに読んでもらって、椎葉のことを分かってほしいなあ」
と、口々に語りかけてくれました。私は心から嬉しく思いながらも、改訂版の発行には自信がまったくなく戸惑っていました。
振り返ってみますと、初版本はもともと生徒たちの郷土学習の教材として作成したのですが、内容からみて保護者や地区村民の方にも読んでいただいたら何かの役に立つのではないかと考え直して、多めに発行したのです。しかし予想外の反響があり、またたく間になくなりました。そこで増刷を致しましたが、これもしばらくしてすべてはけてしまいました。さらに村内外からも要望がありましたが、生憎私は遠地へ転勤となり、それは叶いませんでした。
発行数カ月経ってから、野口逸三郎先生(1910〜1996。元県教育長、当時県地方史研究会会長)からお呼びを受けました。
先生には当本の研究調査に当たって親切なアドバイスをいただいていましたが、初版本について次のようなご感想をいただき、身に余る思いをしたことがあります。
「私は椎葉の歴史に強い関心を寄せ、研究誌も出した。その難解な拙本を筆者は簡明平易にして読みやすく興味深く描写してくださった。私自身このようなことは初めてで、大変嬉しく感じ入った。奥深い椎葉の地にそのような凄いドラマが潜んでいたのか、と読者に驚きと想像を搔き立てる貴重な著作である」
有り難いことでした。
そして四〇年後の今、私は改めて拙本を繰り返し読み直し、文章内容、表現の方法、そして今日発行する意義など十分に考えてみました。知人、友人にも相談し、懇切なアドバイスをいただき、教え子の皆さんの助言も受けたりして、やっとここに改訂新版の発行へと踏み切った次第です。
発行に際しては、椎葉村当局からいろいろとご配慮・ご協力をしていただき、大きな励みとなりました。
さて、今回の改訂新版として多少の加筆や補充も致しました。とくに後編に、当時の生徒たちの感想文を掲載しています。彼らは郷土の歴史の動きに対し、それぞれ新鮮で鋭く個性のある感想を述べております。また、本文中に「コラム」欄を置きまして、松尾中郷土研究クラブが収集発行した『松尾むかしむかし=昔話・伝説』の冊子からも数編取り上げてみました。
末筆ながら、拙本を新たに編集するに当たり、各界の著作や論文、資料を数多く参考にし、また活用させていただきました。本書の性格上、出典等いちいち断りませんでしたが、そのような身勝手を致したことを深くお詫び申し上げるとともに、関係の方々へ心から感謝申し上げます。
二〇二〇(令和2)年九月



目次
改訂新版によせて 椎葉村長 椎葉晃充
改訂新版の発行にあたって 新山芳彦
『椎葉の歴史物語』の発刊にあたって[初版より] 椎葉村教育長 中瀬元平
新山教諭の労苦の発刊について[初版より] 松尾中学校長 松田寿典
はじめに[初版より] 新山芳彦
椎葉村の位置  椎葉村略図&本書に出てくる主な地名
【縄文時代】
中の八重に原始人の住居
縄文土器のなぞ=広がった古代人の交易=
【弥生時代】
狩りから農業へ発展
《松尾むかしむかし》 ますが滝
【古墳時代
上松尾に古墳=当椎葉を支配する豪族か? 鉄と人々
【飛鳥〜奈良〜平安時代】
飛鳥から奈良・平安時代へ
源平の争いと椎葉
《松尾むかしむかし》 テンネンジゾノ
【鎌倉時代
落人物語―鶴富姫と那須大八郎のロマン― 1.落武者の末路2.追討令 3.残党との遭遇 4.御池の悲劇 5.平家の命運 6.人質へ残党の願い 7.姫の思いと大将の工作  8.出会い 9.追討策の転換 10.命の誕生と村人 11.哀しみを越えて 12.村に生きる
【室町時代】
村の誕生
《松尾むかしむかし》 ターホーホー
村の協力と指導者
【戦国時代】2
全国の動きと椎葉山
【安土桃山時代】
秀吉の政治
椎葉山と十三人衆 椎葉山と鷹 150 《松尾むかしむかし》 カメのドジ
【江戸時代】
那須弾正と家康の朱印状
十三人衆の乱
1.計画の失敗2.再蜂起 3.主膳の嘆願
4.幕府の大弾圧5.大事件の後に
〔余話その1〕松尾寺の耳なし地蔵
〔余話その2〕壮年の男とひえ飯
(付記)人物 那須弾正
その1「弾正、肥後路を行く」
その2「弾正、大坂に挙兵す」推理 私の弾正論
《松尾むかしむかし》 日添と日向
幕府領から人吉藩領へ
(付記)人吉藩の念仏禁止と椎葉山
《松尾むかしむかし》 大蛇と仏
逃散事件
(付記)山陰百姓一揆
椎葉山の生活
杣山願事件
1.山への願い 2.杣山をめざして3.村人のねばり 4.藩の策動5.処刑6.村人の思い
《松尾むかしむかし》 駄賃つけと馬頭観音
那須孫兵衛と直訴事件
1.幕藩の農民統制 2.村の行政のしくみ 3.孫兵衛の眼 4.悲願を胸に 5.不運なるもオトウ山へ
(参考)日向の藩の分布図
[資料1]椎葉山の歴史&本書で取り上げた主な出来事 ―
[資料2]那須家の系図 ― 本書に登場する主な人物 ―
 おわりに
「椎葉の歴史物語」を読んで;生徒たちの感想文
椎葉村立松尾中学校について
椎葉の平家まつり

改訂新版 あとがき
参考とした本など 索引


椎葉の歴史物語[改訂新版] A5判/並製/280p
著者/新山芳彦

しんやま よしひこ
1940年 宮崎県都城市山田町生まれ
1962年 宮崎大学 学芸学部(現教育学部)卒
宮崎県内公立中学校勤務
(1976〜1980年 椎葉村立松尾中学校勤務)
2000年 光源寺(西都市)住職
2009年  同 退任

発行日2020(令和2)年12月24日改訂新版発行
1980(昭和55)年2月13日初版発行


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