
スペインワインのモダン化の象徴的存在
ファン・ヒルは、1916年にファン・ヒル・ヒメネスによって設立され、今日に至るまで4世代に渡ってワイン造りを行う、フミーリャを代表するワイナリーです。4代目となる現当主ミゲル・ヒルは、フミーリャの伝統を守る昔ながらのワインメーカーである一方、現代スペインワインの立役者でもあります。天才醸造家クリス・リングランドを醸造監修に迎え、スペイン最高峰のワインを目指した壮大なプロジェクト「エル・ニド」では、彼自身がオーナーを務め、見事にフミーリャのポテンシャルと、モナストレル(ムールヴェードル)本来の質の高さを世界に知らしめました。

ムルシア州北部にあるフミーリャは、夏は40℃に達するほど暑く、冬はしばしば氷点下になるほど寒さが厳しい大陸性気候で、降雨量はわずか300ミリと乾燥しています。この過酷な自然環境のもと、収穫量が少なくなり、果実味豊かでパワフルなワインが生まれます。
ボデガの畑は、700–850mの標高に位置しています。非常に痩せた、小石の多い砂と石灰質土壌で、ほとんどの畑ではフミーリャを代表するモナストレルが栽培されています。古樹の畑と、最新設備のセラーでの醸造。伝統と技術を持ち併せた生産者です。
