
春よ恋ブレンド
春よ恋(はるよこい)とは?
同じく北海道産の強力小麦として、人気を不動のものとする「ハルユタカ」。
春よ恋は、その「ハルユタカ」が持っていた、育てる上での弱点を克服し、さらなる製パン適正を期待され生まれた後次です。
春に蒔かれる、いわゆる「春まき小麦」で、名前の由来にもなっています。
様々な機関でテストした結果、「ハルユタカ」を超える製パン適正の高さを誇り、蛋白量や吸水性・釜伸びや風味も申し分有りません。
ちなみに、「ハルユタカ」は、日本でパン用小麦は育たない、という常識を覆した偉大な小麦です。
そのため、多くの強力小麦が栽培されるようになった今でも、その知名度と人気は抜群です。
とはいえ、作付け面積・収量ともに年々低下しており、大変稀少価値の高い物となっています。「こんなに有名で、みんな大好きなのになんで減っていくの?」というご質問も多くいただきますが、これは「ハルユタカ」を育てる大変さが原因だそうです。
ハルユタカとの関係は?
人間と同じように、小麦の品種にも父親・母親がいます。
「春よ恋」は、父親がアメリカのパン用春まき小麦「Stoa」、母親が「ハルユタカ」です。
「Stoa」は、日本ではあまり知られていませんが、丈夫に育つ質の高い小麦。その両親の良いところを受け継いだのがこの「春よ恋」です。
こうして考えると、ただの小麦の品種名(米で言うとコシヒカリやササニシキ)でも、色々な歴史や背景があり親しみを持てますね。
なぜブレンドするの?
単体の品種のみで粉を作ると、その年の麦の良いところも悪いところもそのまま粉に現れます。
その品質を常に安定させる為、粉の状態を見ながらブレンドを行っています。
粉にする際のこだわりとポイント
小麦粉には、強力粉・薄力粉という分け方の他に、1等粉・2等粉などの分け方があります。
すごく簡単に言うと、1等粉とは「小麦粒の真ん中の真っ白なところ」で、2等粉は「皮に近い、ちょっと茶色いところ」といった感じ。
これは、白という色が重視される日本ならでは概念で、粉をうどんなどにして見るとその色の違いは歴然です。
その名の通り、もちろん1等粉のほうが品質も良い!とされてきました。
でも・・・実は栄養や旨みが多く含まれているのは「皮の近く」の2等粉の部分。
全粒粉のパンを食べたことのある方はピンとくるかもしれません。
この春よ恋ブレンドは、この栄養価の高い部分を多く含むよう製粉とブレンドをしています。
そのせいか、本家の『はるゆたかブレンド』よりも好み!というスタッフもいるほどです。
ハード系のパンにはもちろんですが、食パンなどにもおすすめです!
工場からのコメント
この粉は、何度も試行錯誤をするうちに偶然発見した、思い出深い一品です。
それぞれの小麦だけを粉にした時には感じることのできなかった、味や風味・香りが、特定の割合でブレンドをすることで生まれてきました。
この粉をきっかけに、小麦粉の奥深さに改めて驚いたのを覚えています。お使いいただいた際は、ご感想などを是非ご連絡いただけると励みになります。よろしくお願いいたします。