柿渋和紙/紙・文具の専門店ミフジ
柿渋和紙
伊勢型紙用の柿渋和紙は、美濃和紙に柿渋を塗布した3層構造の和紙。
薄いものでも、耐水性を持たすため、全てが3層構造。
2層だと紙の伸縮のバランスが悪くなるため、NG(着物など柄ずれして染めにくくなる)。
※ただし、色渋紙は単層になります。
原料
熟したオレンジ色ではなく、青い渋柿(収穫時期=8月頃)を使います。
熟したオレンジ色では粘度が出ないので、使えません。
強烈な臭いが特徴です。
また柿渋和紙を作る過程で出る、ススを柿渋に混ぜることにより、粘度がUPします。
作り方
簡単に柿渋紙の作り方をご説明します。
柿渋を塗りながら、3層に合わせていきます。
この時、3枚で1枚セットとわかるよう、角を折って印をつけておきます。
柿渋は、粘度があるので、接着剤代わりになります。
一枚一枚の美濃和紙は、結構薄めのものを使います。
美濃和紙の薄い和紙といえば、典具帖(てんぐじょう)が有名。
刷 毛
柿渋を塗布するときは、コシがあって稲の刷毛を使います。
天日干し
柿渋を塗布出来たら、乾かすため、一度天日干しします。
干し板=10kg/枚近くあり、慣れると4枚背負って片付けられます。
室入れ(燻し)
天日干しが完了したら、今度は室内に入れて煙で燻(いぶ)します。
燻しは、合計で2回あります。
杉 屑
1回目の燻しの時は、杉屑を使います。
特徴としては、杉クズのほうが、ススが多くつき、檜のクズのほうが、ススが付きにくいです。
【 ススの付き具合 スギ>ヒノキ 】
スス落とし用の刃物
燻しが終わったら、一度ススを落とします。
スス落としは、刃物使って汚れを落とします。
2回目の室入れ(燻し)
スス落としが終わったら、天日干しのあと、2回目の室入れを行います。
檜 屑
2回目の燻しの時は、檜屑を使います。
スス落とし後、完成になります。
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