■伊万里焼アクセサリー&ジュエリーについて
【制作理念】
「技は命の力であり 藝は心の歓である」を座右の銘に作品作りに取り組んでいます。技を磨き一つひとつ丁寧に制作し、作品に命を吹き込み、人々の心に歓びや潤いを与えることが出来る作品創りをめざしています。
【コンセプト】
「陶芸を装う」をコンセプトに1983年の創作活動開始以来、流行に左右されることなく、本質を求める日本の美意識を大切にして既存の陶芸作品やジュエリーとは一線を画す『和』の伝統美や魅力を独自の技法で表現し、全く新しい宝飾の提案です。
1.新規性
焼き物の最高峰伊万里焼の鍋島は気品があり、“磁器のダイヤモンド”と称され数百年もの間人々に愛され続けています。また、17〜18世紀ヨーロッパ諸国に輸出された古伊万里は“白き黄金”と呼ばれて大変貴重なもので、中でも燭台・シャンデリア・飾り壺などは金具を取り付けて豪華な宮殿の装飾品として王侯貴族を魅了しました。その伊万里ブランドは世界のブランドとして生き続け、ヨーロッパ磁器には伊万里のデザインが脈々と受け継がれて現在も制作されています。
この歴史や伝統を生かしながら、現代の伊万里焼を貴金属・貴石・真珠などと組み合わせて陶芸宝飾“伊万里ジュエリー”として伊万里焼400年の歴史に新しい1ページを創っています。陶芸家のルーシーリーは焼き物のボタンも作っています。また、北大路魯山人もブローチや帯留を作っていて陶芸作品の食器や壺などとは違う表現方法を試みていますが、専門的にジュエリーで表現を試みた陶芸家は私の知る限りいなかったように思います。
2.特性
伊万里焼は最上級の磁器土を使用し約1300度の高温で焼成しているので、硬く滑らかで光沢があり美しく宝石の要素は十分に持っています。磁器のダイヤモンド或いは白き黄金などと異名をとっているのもそれゆえです。
宝石であるための必要条件には美しさ、耐久性、希少性の三つがあります。
A,美しさ
美しさについては、約1300度という高温で焼成する為、滑らかで、真珠の輝きによく似ていて柔らかく温もりさえ感じさせる光を放ちます。これは磁器も真珠も他の宝石のようにカットして磨いた光ではなく、出来上がったままの光だからです。色についても無限といっていいほどさまざまな色を出すことが可能です
B,耐久性
耐久性は何百年も前の磁器が美しい姿で現在も残っているように、腐食するようなことはなく取り扱い方によっては永久ともいえます。また、非常に硬くキズが付きにくい性質を持っています。
ちなみに、モース硬度を比較するとダイヤモンドは10、磁器は7〜8、ガラスは5〜6真珠は3〜4となっており磁器はエメラルドと同じ硬さを持っています。したがって、非常に傷がつきにくくいつまでも光沢をなくしません。
また、セラミックは最高の義歯とされおり、これは、人間の歯の硬度と同じで人の肌に最も違和感の無い硬さゆえで、肌に触ることの多いジュエリーの素材として最もふさわしいと考えます。
但し、クリスタルガラスのスワロフスキーやバカラカ製品(アクセサリー)と同じように強い衝撃を与えると割れることがありますので取扱いには注意が必要です。
C,希少性
希少性が特に問題になるかと思われますが、17〜18世紀にかけては磁器そのものが大変稀少で価値がありましたが、現在は皿や壺などの磁器は大量に生産可能です。
しかし、ドイツのマイセンやフランスのセーブル、日本の柿右衛門窯や作家が創る磁器作品は非常に高価な価値を保っており、これは高い技術と芸術性を保ちつつ少ない生産量を維持し、ブランドイメージを確立しているかだと思われます。
伊万里ジュエリーの場合は、オリジナル技法の金やプラチナにひび模様を入れる「金彩貫入」やすべての面を滑らかに仕上げる「全面仕上げ」は他に類がなく非常に希少性が高く30年以上お客様から支持されています。
また、ジュエリーコンテスト「タヒチアンパールトロフィー ジャパン」メンズ部門で第1位を受賞したことにより、作家としも認められ、絵画と同じように作品として市場に出せることはジュエリーの中でも稀少だと考えます。
3.市場性
伊万里焼と真珠や貴金属とのコラボレーションというこれまでにない作品で、なおかつ手作りの本物の作品であることから、その良さを理解し本物志向で個性を楽しみ、他人があまり持ってなく価値のある作品を求めている人のための作品です。世界的に見ても現在は「和の文化」が見直され浸透しつつあり、その代表といってもいい伊万里焼。そのアクセサリー・ジュエリー作品は世界中のジュエリーファンに愛されると確信します。
【特殊な匠の技】
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1,全面仕上げ
皿や壺などの焼き物は必ず底や縁の部分がざらざらしています。 当工房の作品はそのざらざらした部分が無く全部の面がつるつると滑らかです。 焼き物の焼き方をまったく知らない人は、何の不思議も感じられないのですが、
少しでも焼成方法を知っている人はとても不思議に思われます。 この焼成方法の開発によってジュエリーパーツとして確立し、より広く自由にデザインが出来るようになりました。
100年以上前にスワロフスキーがガラスの輝きを生かして宝石のようにカットできる特殊な機械を開発してアクセサリーパーツが出来るようになり、現在のスワロフスキーの作品があります。
それと同じように特殊な焼成方法で磁器のジュエリーパーツが出来るようになったのです。
2,金彩貫入
立川青風のオリジナルで金や白金(プラチナ)合金を焼き付け、窯の中でひび割れを入れる技法を「金彩貫入」(きんさいかんにゅう)と名づけました。
これは失敗した現象から3年がかりでデータを集め、狙ってその現象(貫入)が出来るようになりました。
わずかな作業の違いや天候によっても貫入(割れ方)が変わるので長年の経験と勘を必要とします。
【その他】
1,よくある質問
割れませんか?
よく割れるのではないかと心配されますが、それは壺や皿など落としたら割れるという経験的イメージから来るもので、ジュエリーパーツとしての磁器はそれに比べるとごく小さく非常に割れにくいものです。
例えば壺や皿を床に落とすと割れますが、その割れた小さなかけらを落としてもなかなか割れません。それと同じように磁器パーツは小さいので非常に割れにくいのです。
但し、硬い床に落としたり強い力が加わった場合は他の半貴石同様割れることがありますので取扱いは丁寧にしてください。
重たくないですか?
磁器は「重いのでは?」と思われますが、それは皿や碗などのイメージが強いためで、実際手に取るとその軽さに驚きます。
持った感じは真珠とほぼ同じです。 ちなみに、比重を比べるとラピスラズリは約2.8
アコヤ真珠は約2.7 水晶は約2.6 磁器は約2.4といかに軽いかがわかります。
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