世界遺産「屋久島」にある手造り蔵 屋久島伝承蔵
屋久島は本州最南端の佐多岬(鹿児島県南大隅町)から70kmにあり面積約503平方km、周囲132kmの円形に近い五角形で、南西諸島の一番北に位置する島です。 海中での噴火の際に花崗岩が上昇してできた島で、現在も成長を続けており、1000年間に1mずつ上昇しています。海抜0mから約2,000mまでほぼ森林で、そのほとんどが国有林であり、大部分が国立公園に指定されています。 豊かな自然がふんだんに残されており、島の面積の21%にあたる107.47平方kmがユネスコの世界自然遺産に登録されています。
火山島ではなく、大部分が花崗岩からなっていますが、九州地方最高峰の宮之浦岳が中央部にそびえ、他にも1,000m級の山々を有していることから、「洋上のアルプス」とも呼ばれています。海から湿った風がこれらの山にぶつかり、「屋久島は月のうち、三十五日は雨」と表現されるほど大量の降雨をもたらし、年間降水量は約4,000mmから多いところでは約10,000mにもなります。
こうした条件のため、豊富な流水や湧水に恵まれており、「屋久島宮之浦岳流水」は名水百選にも選ばれています。この流水の一つを用いて、「屋久島伝承蔵」の仕込は行われます。超軟水と言われるこの水で仕込まれる焼酎は、まろやかな口当たりとなり旨さの決め手の一つとなっています。
明治20年から現存する古甕を用いた手造り甕仕込み
屋久島伝承蔵には、明治20年から受け継がれてきた56個の甕が今も使われています。この甕はすべて国産で、今ではもう作られていないものです。それ故、手入れや補修に大変な労力を必要といたしますが、屋久島伝承蔵ではあくまでも甕仕込にこだわり「タンク仕込みでは出せない独特の風味」を追求しています。その他にも古い甕の特徴として、良質の酵母が長年に渡り住み着いていること、土中に埋まっているので保温に優れていることが挙げられます。
焼酎造りの要でもある麹も全て手造り。「手間と時間はかかっても、呑んで旨いと思える焼酎を造りたい」という想いは、「屋久杉」や「無何有」をはじめとする、この蔵で造られる焼酎全てに生きています。
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