江戸時代には、平戸藩主・松浦家の御用菓子司を務め、藩主やその家族に仕える菓子を作る役割を果たしていました。また、蔦屋の名物である「カスドース」は、松浦家が編纂した『百菓乃図』にも記載されており、その名は歴史的にも深い意味を持っています。この時期、蔦屋の菓子作りは、松浦家の茶道「鎮信流」の茶請け菓子としても用いられ、現在でもその伝統を守り続けています。
蔦屋が誇る伝統の味は、代々受け継がれてきた変わらぬレシピで作られており、職人たちは一つひとつの和菓子に心を込めて製作しています。伝統的な南蛮菓子であるカスドースをはじめ、季節ごとの創作和菓子も提供しています。これらの菓子は、平戸の人々に長年愛されており、蔦屋はその味を守り続けているのです。
平戸の地で南蛮文化が栄えた歴史的背景の中、蔦屋はその文化的遺産を引き継ぎながら、現代の人々にも伝統の味を届けるために、職人の技と心を大切にしている和菓子店です。
