プリューレ=リシーヌ PRIEURE-LICHINE優良
格付け:第四級(1855年)
畑の位置:アルサック Arsac、カントナック Cantenac、マルゴー Margaux、スーサン Soussans、ラバルド Labarde
所有者:サシャ・リシーヌ SachaLichine
畑(赤)面積:66ha
平均樹齢:25年
ブレンド比率:カベルネ・ソーヴィニョン54%、メルロ39%、プティ・ヴェルド5%、カベルネ・フラン2%
セカンド・ワイン
ブランド名:シャトー・ドゥ・クレールフォン Chateau de Clairefont
アペラシオン:マルゴー・クリュ・ブルジョワ Margaux Cru Bourgeois
注記:そのほかに、オー=メドック・デュ・プリューレ Haut Medoc du Prieure という赤ワインを年間1万2000本生産している。
畑(白)面積:2ha
ブレンド比率:ソーヴィニョン・ブラン80%、セミヨン20%
平均年間生産量:1万本
グラン・ヴァン(白)
ブランド名:ブラン・デュ・シャトー・プリューレ=リシーヌ Blanc du Chateau Prieure-Lichine
現在の格付けの評価:第五級に格下げされるべきである。
飲み頃の続く期間:ヴィンテージによるが5〜15年
メドックで年間を通じ、毎週7日間観光客に開放されている唯一の大シャトーであるプリューレ=リシーヌは、世界的に有名なワイン・ライターでワインの権威、それにボルドー・ワインのプロモーターでもあるアレクシス・リシーヌの愛する住まいだった。
彼は1989年6月にこの世を去ったが、1951年にプリューレを購入し、ブドウ畑を3倍にするなどの広範囲な改良プログラムに着手した。常々思うことだが、ここでの収穫は信じられないほど込み入った作業になるに違いない。というのも、プリューレ=リシーヌのブドウ畑は最も分割されているもののひとつで、広大なマルゴーのアペラシオン中に何十もの区画が広がっているからである。
プリューレのワインは現代的だが、知的なスタイルでつくられる傾向にある。しなやかで熟成が早いが、タンニンを十分含み、中身があるので、よいヴィンテージでは8年から12年はよく熟成する。価格はいつも手頃だ。
父親の死後、若きサシャ・リシーヌが、この素敵なツタに覆われた、ベネディクト会の小修道院跡を引き継いだ。そしてこれからは、より凝縮味とボディがあり、長持ちしやすいワインを生産すると彼は示唆してきた。
その意図は1989年のヴィンテージではっきりしたように思われる。プリューレ=リシーヌは、格付けシャトーの評判のわりにいくぶん軽いという数々の批評家の主張に応えて、こうした変化を志したのではないだろうか。この目的を果たすために、リシーヌはブドウ畑に植えるメルロの割合を増やし、1990年に有名なワイン醸造学者のミシェル・ロランを雇い入れた。
講談社 『BORDEAUX ボルドー 第3版』ロバート・パーカーJr著より
|