Vosne Romanee ヴォーヌ・ロマネ
「ネックレスの中央の真珠」に喩えられる最高峰の村
中世のヴォーヌ・ロマネは、890年頃に設立されたサン・ヴィヴァン修道院にその一帯を所有されていました。現在はオート・コートにあった修道院は廃墟となってしまいましたが、そのワイナリーについては今でもドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティ社が使用しています。
17世紀、コンティ王子が取得したクリマがロマネ・コンティと改称された頃から、ヴォーヌ・ロマネのワインはその評価を高くしていました。
1789年のフランス革命で没収された畑が競売にかけられた経緯から、ブルゴーニュではひとつの畑に複数の所有者がいることが多くなりましたが、ヴォーヌ・ロマネは比較的その影響が少なくなっています。
現在でも6つのグラン・クリュのうち、4つがモノポール(単独所有畑)として残っています。
栽培区域は標高230〜340メートル、斜面と一部集落のある平地に広がっています。
斜面は全体的に真東を向いているものが多く、中腹では緩やかな勾配となっています。
斜面の上部は表土が薄くて小石が多く、下部は石灰岩にバジョシアンの泥灰岩層が入ります。
平坦部では酸化鉄を多く含んだ赤っぽい表土があり、多い所では1メートルに達します。
数々の珠玉の畑から生み出される至高のエレガンス
ヴォーヌ・ロマネはブルゴーニュ中、最もエレガントなワインの代表格としてその名を世界に轟かせています。
ブラックチェリーやカシスなど黒果実のアロマ、牡丹の花などが特徴的で、熟成するにつれ、ジビエ、毛皮などのアロマが表れます。
全体的にタンニンがビロードのように滑らかで、酸味も比較的穏やかな為、時にはその果実味が甘味にすら感じるほどです。
長期熟成にも向いており、熟成とともに官能的なワインに姿を変えていきます。
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